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新海誠作品の3週連続放送 『秒速』に続く2作品も見るべき? 「官能的で不思議な緊張感」

新海誠作品の3週連続放送 『秒速』に続く2作品も見るべき? 「官能的で不思議な緊張感」


足のサイズを測るシーンが描かれた『言の葉の庭』ビジュアル (C)Makoto Shinkai/CoMix Wave Films

【画像】え、実写のはずなのに「新海誠の映像やんけ」 コチラが実写版『秒速5センチメートル』シーンカットです

10年経って「舞台化」「何度も観てしまうくらい好き」

 2025年10月10日から公開中の実写映画『秒速5センチメートル』が話題を呼ぶなか、10月24日(金)よりフジテレビにて3週にわたり、新海誠監督の劇場アニメ『秒速5センチメートル』、『言の葉の庭』、『雲のむこう、約束の場所』の放送が決定しています。映画のもとになった劇場アニメ『秒速5センチメートル』は、2007年にロングヒットを達成し、新海監督の代表作のひとつとして知られています。それに続いて放映される2作品も、アニメファンの間で高く評価されています。ファンはそれぞれ、どのような点を「見どころ」と感じているのでしょうか。

 10月31日(金)に放送予定の『言の葉の庭』(2013年)は、雨の日の公園で偶然出会った高校生の少年「秋月孝雄(タカオ)」と、謎めいた年上の女性「雪野百香里(ユキノ)」の織り成す恋物語です。国内外で話題を集め、劇場公開から10周年を迎えた2023年には英日で舞台化され、改めて注目を集めました。

 本作で多くの人を魅了したのが、ふたりが出会う雨の日の描写や情景の美しさです。水たまりに映る景色や、雨粒の滴る様子、葉の質感にいたるまで丁寧に描かれ、徐々に惹かれ合う男女の繊細な心理描写を引き立てています。また、靴職人を目指すタカオが、自分よりひとまわり年上のユキノの足に触れてサイズを測る場面は、「官能的で不思議な緊張感」と評されました。さまざまなシーンに漂う静かな情熱が、観る人を物語の世界へ引き込みます。

 物語のなかで綴られるセリフや静かな余韻なども繊細で美しく、46分と短めの映画ながら、まるで芸術作品のようです。それぞれが新たな一歩を踏み出し、切なさが残るラストですが、「余韻が残っていろいろと想像できる」「月日が経ってもこの作品の鮮やかさと切なさは色褪せる事なく、何度観ても強く心に響く」など、ファンからはいまも変わらぬ支持を集めています。


2作目で監督の原点を感じられるかも?『雲のむこう、約束の場所』DVD(コミックス・ウェーブ・フィルム)

新海監督の原点が感じられる作品?

 11月7日(金)に放送予定の『雲のむこう、約束の場所』(2004年)は、『ほしのこえ』(2002年)に続く新海誠監督の劇場アニメ第2作です。南北が分断され、共産国家群「ユニオン」に統治される日本を舞台に、ある「塔」をめぐって、少年「藤沢浩紀(ヒロキ)」と「白川拓也(タクヤ)」、そして彼らが思いを寄せる少女「沢渡佐由理(サユリ)」による群像劇が描かれます。

 平行世界を扱う物語のなかで、南北統一を目論む者、塔を研究する者、過去の約束を果たしたい者など、さまざまな思惑を持つ人物が複雑に絡み合うため、難解な印象をもつ人も多いようです。しかし、原因不明の病で眠り続けるサユリを救うために少年たちが葛藤する姿は、切なくも心打たれます。

 これまでの新海監督のヒット作と比べると知名度はやや低めです。しかし、「誰にも思いつかないような斬新なアイデアで新鮮」「後の傑作につながる要素が詰まっている」などと評価されており、多くの名作を生み出した新海監督の原点を感じられる作品といえるでしょう。

 また、20年ほど前の作品でありながら、夕暮れの空や建物に差し込む光など、風景の一つひとつが丁寧に描かれています。戦後日本のノスタルジックな雰囲気も相まって、「映像を眺めているだけで癒される」と語るファンも多く、新海監督らしい叙情的な魅力が詰まった作品です。

配信元: マグミクス

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