レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1メキシコシティGPのフリー走行2回目を終え、ライバルに比べて劣勢に立たされているのではないかと懸念している。
フェルスタッペンはFP1のドライブをアービッド・リンドブラッドに譲ったため、FP2からの登場となった。そしていきなりトップタイムをマーク。ライバルであるマクラーレン勢の2台に、比較的大きな差をつけた。
このトップタイムは当然、予選シミュレーション中に記録されたもの。しかしフェルスタッペンは、ロングランでは厳しい状況に陥っているかもしれないと考えている。
「ソフトタイヤでのショートランでは、良いラップを刻むことができた」
そうフェルスタッペンは言う。
「でもそれ以外は、全てがかなり悪かった。ミディアムタイヤでのショートランは良くなかったし、最大の問題はロングランだ。かなり苦戦しているようだ。だからもちろん、それがレースに向けての大きな懸念事項になるだろう」
フェルスタッペンはミディアムタイヤを履いてのロングラン中、無線で次のように語って不満を訴えた。
「ひどい。グリップが全くないよ。まるで氷の上を走っているみたいだ」
何が問題なのか? それについて尋ねられた次のように語って困惑した。
「まだ分からない。バランスも崩れていなかったからね」
「とにかくグリップが全くなかった。それが一番の問題だ。安定した走行を続けると、すぐにタイヤが過熱してしまう。どうしようもない状況だった。だから、解決が難しい問題だ」
フェルスタッペンは、レースに勝つためにはアタックラップが速いだけでは当然不十分であると断言した。たとえポールポジションを獲得したとしても、そこからレース中ずっと後続を抑え込むのは、ここエルマノス・ロドリゲス・サーキットでは難しい。鈴鹿やイモラとは違う。
「こんな状態ではレースに勝てない」
そうフェルスタッペンは断言した。
「アタックラップでは速くても、レースでのペースが上がらなければ、非常に難しい戦いになる。だからレースで速く、アタックラップが速くない方がよっぽどいい」
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコ博士も、フェルスタッペンの状況について次のように説明した。
「グリップが全くない状態だったようだ。まさに氷のようだった。それに、横方向にかなりスライドしていた」
「何か解決策を見つけねばならない。それが出来なければ、ノリス……そしてフェラーリやメルセデスと戦うのは、とても難しくなるだろう」
マルコ博士はさらに次のように続けた。
「予選シミュレーションでは、我々は高い競争力を発揮した。ソフトタイヤでもかなり競争力があった」
「しかしロングランでは、ノリスにどんどん引き離されていく。このままだったら、ノリスにあっという間に逃げられてしまうだろうね」
ただマルコ博士としては、フェルスタッペンの最大のライバル、ランキング首位のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が大きく後れをとっているように見えることが慰めになっているようだ。
「我々にとって良いことは、ノリスがまたしてもピアストリよりもはるかに競争力があるように見えることだ」
「長いレースになるので、どうなるか見てみよう」

