
『もののけ姫』静止画より (C)1997 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, ND
【画像】え、「でっか」「顔も別物」 コダマの「未来の姿」を知る
コダマの「その後」も判明
2025年10月24日より『もののけ姫』4Kデジタルリマスター版のIMAX上映が始まりました。初日から映画館がほぼ満席状態になるほどの人気ぶりで、大迫力の映像と音響で、「物語世界への没入感が増した」と評判です。
映画『もののけ姫』は1997年の公開から四半世紀以上がすぎたいまも、多くの人びとに愛され続けています。そのなかで、物語の結末について「アシタカとサンはどうなったの?」という疑問を持った人も多いのではないでしょうか。
物語の終盤、「シシ神」の首を取り戻し、森が再生した後、サンとアシタカは別々の道を選びます。このとき、サンはアシタカに「アシタカは好きだ でも人間を許すことはできない」と告げました。実はこのシーン、『もののけ姫 スタジオジブリ絵コンテ全集11』によれば、アシタカがサンに「プロポーズしている」場面だったのです。
サンの言葉に対し、アシタカは「それでもいい サンは森で私はタタラ場で暮らそう ともに生きよう」と答えています。このセリフを聞いたサンが、物語を通して険しかった表情をゆるめる瞬間は、多くの観客の心に残っているのではないでしょうか。
しかし、宮崎駿監督は『もののけ姫ロマンアルバム』のなかで、ふたりの未来について複雑な見解を示しています。サンの「人間を許せない」という言葉を「答えが出せないままアシタカに刺さったトゲ」と表現し、アシタカはそのトゲとも一緒に生きていく決意をしたのだと明かしています。
宮崎監督はさらに、アシタカとサンのその後について「タタラ場の理屈で言うと、生きていくためには木を切らなければならない。だけど、サンは切るなっていうでしょ。その度に突っつかれて生きていくんだな、アシタカは大変だな」と語っています。
この言葉からは、アシタカがタタラ場と森の板挟みとなり、自然と人間の共存という困難な課題に向き合い続ける姿が想像できます。ふたりが「ともに生きる」未来には、異なる立場の者同士が歩み寄るための葛藤や試練が待ち受けているのです。
また映画の結末では、シシ神の暴走で一度は姿を消した「コダマ」が再び現れるシーンがあります。実は、このラストシーンにコダマを登場させたのは宮崎監督ではなく、アニメーターの二木真希子さんの発案だったそうです。
さらに興味深いのは、1998年の書籍『「もののけ姫」はこうして生まれた。』に記された宮崎監督の「見解」です。作中でコダマたちが描かれた絵に、大昔から森に生きていたはずのトトロがいないことを気にかけていた監督が、「コダマがトトロに進化した」という論理で自らのなかで決着をつけたようです。
こうした細部まで緻密に考え抜かれた『もののけ姫』の世界を、4Kデジタルリマスター版でより鮮明に体験できるようになりました。宮崎監督が描く自然と人間の共存という永遠のテーマは、現代においてますます深い共感を呼ぶものではないでしょうか。
