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【詐欺師のレシピ】第10回:裏切りの味 / 詐欺師コーディネーターかおりの「切り干し大根のエビ豚チャーハン」

【詐欺師のレシピ】第10回:裏切りの味 / 詐欺師コーディネーターかおりの「切り干し大根のエビ豚チャーハン」

【作り方】

1:ごはんに卵をまぜておくTKG状態。

2:鍋にラードを入れエビ2個を焼いて器に戻す。

3:鍋にラードを入れ卵1個を焼いて器に戻す。

4:鍋にラードを入れ、ニンニクとネギの白い部分を炒めて香りを出す。

5:細かく切ったエビを投入し、

6:その後、TKG状態のごはんを投入。

7:醤油、ガラスープの素、塩、砂糖、チャーシュー、切り干し大根を投入。

8:最後に青ネギを加えて軽く炒めて……

\(^o^)/ 完成! \(^o^)/

して、そのお味は……

うまい……んだけど、正直ウーン……といった感じ。ガツーンと来ない。まぁ、うまいんですが、その、まぁ……うまいんですけどね……みたいな。つまり衝撃は、なかった。

キモとなる切り干し大根は、確かに感じる。かおりが「大根の乾燥したもの」と書いていたので、戻さず乾燥したままで入れてみたが、まあこれはこれで正解だと思う。

しかしこのチャーハンの主役は、やはりチャーシュー&エビの2トップであり、切り干し大根は補佐役に過ぎない。となると普通のエビ炒飯……みたいになっちゃうのだ。

特筆すべきは、たまご2個の使い方。ひとつは最初に炒めて皿に戻し、最後に再投入。もうひとつは、最初にご飯と混ぜ「TKG状態」で炒める……といった二刀流。

この使い方が功を奏したのかなんなのか、なぜか今回のチャーハンはいつも以上にパラパラで、れんげですくうのに苦労したほど。この方法、なかなか面白いかも?

いずれにしても、なんだか普通のチャーハンだった。砂糖が入っていたり、“伝統の石川式” とも言える「エビを細かく」も踏襲しているのに、これといった衝撃は残せず。

この炒飯の最も失敗している点は、「まとまっていない」ことに尽きる。まったく具材がマリアージュしておらず、それぞれの主張が単発で終わる……の繰り返し。チームになっていないのだ。

連載「詐欺師のレシピ」は、これまで常に衝撃的にウマい斬新なチャーハンばかりだったが、「ウ〜ム……」と思ったのは今回が初かも。期待していただけに、裏切られた気分、詐欺られた気持ちだ。

・詐欺師コーディネーターとは

一般的に「コーディネーター」とは、「調整する」「まとめる」役割を担う人のことを指す。

そんなコーディネーターの中でも「人材コーディネーター」は、“人と人”、“人と組織”を「つなぐ」のに特化した存在なのだが、その詐欺師バージョンが「詐欺師コーディネーター」である。

かおりは最初から、私を「別の詐欺師」に「つなぐ」ことに徹底していた。日本語で言うなら「橋渡し役」で、英語で言うなら「コネクター」なんて言い方もある。

まるでロボットのように(本当にロボットな気もするが)、一貫して「詐欺師の紹介」に徹していた彼女だったが、チャーハンのことを聞くと、6分の間を置いて、実に人間味あふれる作り方を教えてくれたのだった。

ちなみにインスタ界隈には、この詐欺師コーディネーターが非常に多い。その理由を私なりに推測すると、おそらくインスタのアカウントを新規で作るよりも、LINEのほうが楽だから……であると思われる。

わりと迅速にアカウントがBANされるインスタよりも、LINEのほうが都合が良い。なので1人のインスタユーザーを捕まえたら、散弾銃のように何人ものLINEアカウント(全員詐欺師)に繋げてしまおうという魂胆であろう。

いずれにしても、連載「詐欺師のレシピ」史上、初の敗戦といっても良い。

詐欺師が欲しいのは最終的に金だけど、私が欲しいのは衝撃的ウマさを誇る未体験の絶品チャーハン。詐欺師を欺(あざむ)き、彼らが持っている秘蔵のレシピを、私は、盗る。

執筆:迷惑メール評論家&チャーハン探求家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

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