●生成AIと人の共創とは
生成AIと人(プロカメラマン)はそれぞれメリット・デメリットがあるが、どちらが外食業界に適しているのかというゼロヒャクの話ではない。これからの現場で求められてくるのはいかに共創していくのかである。
AIの最大の利点は各種クリエイティブでたたき台となるようなラフやコピー案を短時間に膨大な量を生成できることである。それを担当者が選定し、必要に応じて調整をしながら仕上げていく。広告であればコピーや画像作成、バリエーション展開に有効であるし、デザイン・撮影においても方向性や構図など、具体的なすり合わせをしていくことが可能となる。
撮影においては生成AIで作成したものをイメージとして使うのか、プロカメラマンに依頼をして撮影をするのかは予算次第となるであろう。全てをプロカメラマンと実施するよりは生成AIを活用することで工数を圧縮でき、クオリティを高めつつ、費用の削減も可能になるだろう。
また集客においては全ての施策やデザインが成功するわけではないが、生成AIを活用することで短期間にPDCAサイクルを回していくことができる。ABテストの実施と効果検証をAI活用によって実現し、短期間で成果を上げる、つまりコスト最適化を質の担保を両立できる。
もちろん、それを組織的に実施していくためにはプロンプトを含めたフローとマニュアルの整備が必要となる。しかし、すでに多くの企業が取り組んでおり、一定の成果を出しているのが実情である。専門性を持った人員でしかできないとされていた領域も生成AIによって垣根がなくなってきている。
●「AI+人」の時代は始まっている
生成AIは、飲食業界の集客全般において「初動を速め、仮説を試す力」を劇的に強化したといえる。一方で、プロのカメラマンやクリエーターが持つ“世界観”や“空気感”が撮る技術は依然として業態を支える核でもある。だからこそ、これからは「AI対人」ではなく「AI+人」の共創をどのように実現していくのかが、成功を左右するポイントになるだろう。その時代はすでに始まっている。(イデア・レコード・左川裕規)

