ゴールデンステイト・ウォリアーズは、現地時間10月21日に敵地クリプトドットコム・アリーナで行なわれたロサンゼルス・レイカーズ戦に119-109で快勝し、今季白星スタートを切った。
続いて23日にホームのチェイス・センターで開催されたデンバー・ナゲッツ戦。ウォリアーズはアーロン・ゴードンに10本の3ポイントを決められ、キャリアハイの50得点を許すも、ステフィン・カリーのディープスリーで残り21.9秒に追いつくと、延長戦でベテラン陣が躍動し、最終スコア137-131で開幕2連勝を飾った。
6本の3ポイントを決めたカリーが42得点、6リバウンド、7アシスト、3スティール、ジミー・バトラー三世が21得点、5リバウンド、6アシスト、3スティールとチームを牽引。さらにジョナサン・クミンガが14得点、5リバウンド、ドレイモンド・グリーンが13得点、8リバウンド、8アシスト、ブランディン・ポジェムスキーが11得点と先発全員が2桁得点をあげた。
ベンチ陣も、新加入のアル・ホーフォードが13得点、バディ・ヒールドが11得点を奪い、チーム全体で33本のアシストを記録した。
今季のウォリアーズは制限付きFA(フリーエージェント)だったクミンガの契約がまとまらず、トレーニングキャンプ初日時点では人員不足だった。それが一転、クミンガが2年契約で合意すると、ホーフォードやディアンソニー・メルトン、ゲイリー・ペイトン二世らと契約し、スムースにチーム構築が進んでいった。
カリーやグリーンらベテランのコアメンバーを擁するチームは、昨夏にサイン&トレードでクレイ・トンプソンがダラス・マーベリックスへ移籍したことでビッグ3体制に別れ。それを補完すべく、トレードでヒールドとカイル・アンダーソン(現ユタ・ジャズ)を獲得。
さらに、ジャズとのトレードでオールスターのラウリー・マルッカネンを獲得する可能性もあった。ジャズのダニー・エインジCEOは、見返りとしてウォリアーズの若手選手たちと複数のドラフト1巡目指名権をアセットに求めていた。
そこに“待った”をかけたのがグリーンだった。ウォリアーズ一筋のベテランは、オーナーのジョー・レイコブ、マイク・ダンリービーJr.GM(ゼネラルマネージャー)に警鐘を鳴らしていたという。
「俺は(マルッカネンの)大ファンだ。だけど、もしそんな大きなことをしたいなら、それが間違いなく正しい動きなんだと確信していなければいけない。ダニー・エインジに対して、そういうことをしていては勝てないんだ。俺はそれまでの歴史を見てきたからな」 28歳のマルッカネンは216cm・109kgの体躯にシュート力を兼ね備える万能スコアラー。もし加入していれば、カリーに次ぐ得点源としてウォリアーズの攻撃力は破壊力を増していたに違いない。
ただその一方で、獲得のためには複数の若手とドラフト指名権を手放す必要があり、将来的なロスター構築の柔軟性を妨げていた可能性が高い。
結果的に、ウォリアーズは2月の大型トレードでバトラー三世を獲得し、今オフにホーフォードやメルトンを加えた。マルッカネンのトレードを見送ったことでポジェムスキーやモーゼス・ムーディー、クインテン・ポストといった若手をキープでき、ローテーションメンバーに据えて戦うことができている。
ウォリアーズ在籍14年目を迎えたグリーンは、球団の今と将来を見据えてフロントへこう助言していた。
「これ(若手とドラフト指名権)を持つことが、この組織の素晴らしいところのひとつだと思う。俺たちはここにきて『よし、すべてを手放そう。10年後にこの組織がどうなっていようと気にするな』だなんて考えちゃいない。
俺たちがやってきた方法で続けていくことが重要なんだ。俺たちは今でも競争して優勝する可能性がありながら、一方で将来のための柔軟性とリソースも残せる、そんな良いバランスを見つけたんだと思っている」
39歳のホーフォードを筆頭に、カリー(37歳)やバトラー三世(36歳)、グリーン(35歳)などベテラン陣を頼りに戦っていることは否めないが、クミンガやポジェムスキーなど球団の将来を担う可能性を秘める若手を残し、うまくブレンドできているウォリアーズ。
今季の最終着地点がどこになるかを予想するのは時期尚早だが、現時点では最高のスタートを切ったと言えるのではないだろうか。
文●秋山裕之(フリーライター)

