フェラーリはF1メキシコシティGP初日、シャルル・ルクレールがFP2で2番手となるなど好調なスタートを切ったが、5番手のルイス・ハミルトンはグリップとマシンバランスに手を焼いているようだ。
前戦アメリカGPでルクレールが3位表彰台、ハミルトンが4位に入った後、メキシコシティGPに向けてはあまり期待が高くはなかったフェラーリだが、フリー走行では特にルクレールに明るい兆しが見られた。
ルクレールはFP1で最速タイムを記録し、FP2ではレッドブルのマックス・フェルスタッペンにコンマ1秒差の2番手だった。
「金曜日はポジティブな結果だった。燃料搭載量が少ない時のレッドブルと、燃料搭載量が多い時のマクラーレンにはまだ後れを取っているが、良いタイムを記録できたし、マシンにもかなり満足している」
そうルクレールは認めたが、慎重な姿勢は崩していない。
「優勝争いをするのは現実的ではないが、できる限り勝利に近づけるように努力するつもりだ」
今回のフェラーリの好調は偶然ではないだろう。チームはメキシコシティの標高にマシンを適応させ、酸素が乏しいサーキットでの気流を改善するために、空力パーツやエンジン面で対策を施していた。これにより、ルクレールはFP1開始直後から速さを発揮し、FP2でも安定したペースを維持した。
一方で、ハミルトンはより困難な状況に陥った。FP1ではルーキー起用義務を消化するため、アントニオ・フォッコにマシンを譲ったハミルトンはFP2からマシンに乗り込み、FP2で5番手。トップのフェルスタッペンとは0.3秒、ルクレールとは0.15秒ほどのギャップだったが、彼の感想はそれほど楽観的なものではなかった。
「まったく良い感じではないにもかかわらず、この順位に驚いている。グリップがあまりなく、マシンが大きくスライドするんだ」と彼は告白した。
「滑りやすいのは……F1カーでは決して楽しいことではないね」
ただハミルトンは、レースペースは悪くないことを認めている。
「ロングランのバランスは悲惨というほどではないけど、タイヤについてさらに改善点を見つける必要がある。それに、このマシンにはさらにペースを上げる余地があることも分かっている」
またハミルトンは、ランド・ノリスが4番手、オスカー・ピアストリが12番手でFP2を終えたマクラーレンについて、復活してくるだろうと語った。
「彼らがどこでタイムを失ったのか正確には分からない。だけど明日は素晴らしいペースを発揮するだろう」

