レッドブルは、メキシコシティGPで投入した新フロアについて、イタリアGPで初披露し、躍進のきっかけになったフロアの進化形だと説明。また、チームがこれまで見落としていたと認める知見に基づき、冷却インレットへの調整を施したという。
マクラーレンが今季マシンの開発を早々に切り上げた一方で、レッドブルは現行マシンへのアップデートを継続している。
メキシコでは、複数のチームが高地にあるエルマノス・ロドリゲス・サーキットに対応するための変更を加えているが、レッドブルはさらに一歩進んでアップグレードを実施しているのだ。
全メーカーが既に2026年に注力している状況下でこれは注目に値する。マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は「2025年マシンのさらなる開発は2026年プロジェクトを大きく損なう」と発言しており、レッドブルが2026年マシンの開発をある程度犠牲にする可能性を示唆している。
しかしレッドブルのチーフエンジニア、ポール・モナハンはmotorsport.comから「レッドブルはその代償を払うことになるのか」と問われると微笑み、アップグレードが完全に新しいフロアではないことを説明した。
「我々は選択をした。これは既存のフロアを流用したものだ。つまり、十分にモジュール化されていたため、既存のフロアを再利用してここに持ち込んだのだ」
新フロアに加え、レッドブルは冷却性能向上のためボディワークの一部を更新した。重要なのは、シーズン序盤で得た知見を反映させた点だ。
「冷却出口の再構成は、トップボディワークの最終改良段階で発見された」とモナハンは説明する。
「機会を逃したと思ったが、魔法のような働きのおかげでミルトンキーンズで実現できた。この成果は、尽力した全員の功績だ」
「言われている通り、今は2026年(の開発)真っ只中なのに、ここでそれを実現できた。その恩恵を受けられるなら、全てが報われる」
レッドブルとマクラーレンのアプローチの違いは、主にふたつの要因で説明できる。第一に、レッドブルはマクラーレンよりもわずかに風洞実験時間とCFD(コンピュータ流体力学)の試験時間を多く確保している。ただし予算上限は、2025年と2026年のプロジェクトを両立させる全チームにとって制約要因であることに変わりはない。
第二に、ステラ代表はマクラーレンの2025年マシンが頭打ち状態にあると指摘した。つまり、継続的な開発がさらなる性能向上をもたらす保証はないという意味だ。対照的にレッドブルは、2025年型マシン固有の問題を解決する必要があった。
最近のアップグレードがレッドブルRB21を確実に強化したことは否定できないが、フェルスタッペンはこれが逆転の唯一の理由ではないと語る。
フェルスタッペンはシンガポールで、この進歩は「新たな哲学」とマシンへの理解深化によるものだと述べた。ポテンシャルは以前から存在していたが、シーズン前半はそれを安定して引き出せなかったと付け加えた。
「多くの要素が組み合わさった結果だと思う」とモナハンは反応した。
「マックスの意見に反論するつもりはないし、彼が具体的に何と言ったかも正確には知らない。しかし今シーズン最初のレースから、より良いマシンを手に入れようと多くの努力が注がれてきた」
「問題点を特定したと思っていたが、実際に解決するにはいくつかの段階を踏む必要があった。単にマシンのダウンフォースを大幅に減らすだけでは不十分だったのだ。モンツァに近づくにつれ、様々な要素が組み合わさってマシンは大幅に改善された。単一の要因とは言えない。ひとつかふたつのセッティング項目でもなければ、ボディワークの幾何学的形状だけの問題でもない。多くの要素が適切な順序で作用した結果だ」
モナハンの言葉は、アップグレードの成功と、その結果としてレッドブルが車体を異なる方法で走らせていること(その一部は車高に関連している)を指している。「それらの措置のタイミングには失望しているかもしれないが、それが現実だ」とモナハンは付け加えた。
モナハンは、このパフォーマンスの片鱗がシーズン序盤に見られたという点でフェルスタッペンに同意した。つまりRB21にポテンシャルはあったということだ。
「シルバーストンでモンツァ仕様のウイングでポールポジションを獲得したことを忘れてはいけない」
「では、それをモンツァでの結果とどう比較すべきか? マシンはさらに少し良くなり、幸いモンツァはシルバーストンのように雨ではなくドライコンディションだった。そういうことだ」
モナハンにとって最も心強い兆候は、レッドブルの進歩が様々なタイプのサーキットで機能していることだ。
「(自分たちの進歩に)特に驚いてはいない。潜在能力は分かっているからだ。ただ全ての要素を統合している段階だ。最も喜ばしいのは、異なるダウンフォース特性を持つサーキットで結果を出せたことだ。モンツァとバクーは同レベルのダウンフォースだったが、次に高ダウンフォースサーキットへ向かう際、『これで大丈夫か?』と考えるだろう。結果的に問題なかった。だから勝負だ!」

