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日本初の女性首相で思い出す「ガンダム」の女性指導者ハマーン・カーン 16歳で頂点に立った政治的手腕と「弱点

日本初の女性首相で思い出す「ガンダム」の女性指導者ハマーン・カーン 16歳で頂点に立った政治的手腕と「弱点


ハマーンが表紙に描かれる小説『機動戦士Z(ゼータ)ガンダム〈第4部〉ザビ家再臨』(KADOKAWA)

【画像】「えっ、ハマーン様も?」これがサービスシーンを大胆披露したガンダム美女たちです(6枚)

政治家としてのセンスはギレンをも超えていた?

 世間では、日本初の女性首相が誕生したことが話題となっています。一枚岩ではない政権をまとめ上げ、問題山積みの日本社会に対してどのような政治手腕を発揮していくのかと、関心が集まっています。一方、アニメファン、とりわけ「ガンダム」シリーズのファンにとって、女性初の指導者といえば「ハマーン・カーン」を思い出す人も少なくないでしょう。

 ガンダムシリーズの世界観のひとつ「宇宙世紀」で、女性として最初に組織の頂点に立ったのがハマーンでした。もちろん組織の旗頭となるのはザビ家の血統を持つ「ミネバ・ラオ・ザビ」ですが、ハマーンはその摂政として弱冠16歳にして「ジオン公国軍」の残党組織「アクシズ」の実質的指導者となりました。

※「キシリア・ザビ」の実績は「戦闘中の主導権確保」なので、割愛します。

 若くしてこれだけの地位に就いたハマーンですが、彼女の何が、ここまでのポジションに押し上げる要因となったのでしょう。すぐれたニュータイプ能力とエースパイロット級の技量がよく取り上げられますが、ハマーンの真の実力はそこにとどまりません。

 その後の組織の立ち回りを見れば一目瞭然ですが、ハマーンの真価は「すぐれた政治的判断」にあります。

 まずは「地球連邦」が、「エゥーゴ」と「ティターンズ」に別れて争うタイミングで地球圏に来た点、そして両者の力をそぐように立ち回った点でしょう。どちらかの勢力について、もう一方を壊滅させるのではなく、両者の力をそぐことで残った一方との対決を容易にしたわけです。

 この巧みなハマーンのプランが功を奏し、エゥーゴはティターンズを壊滅させたものの、戦力を激減させました。これによって地球連邦自体の力は弱体化し、アクシズはのちに「ネオ・ジオン」へと組織を発展させ、地球圏を席捲する足掛かりとなったわけです。

 この際、ハマーンは兵士たちの戦意高揚のためか、それまで着なかった軍服を着用しました。さらに各地に残るジオン残党組織も統合するなど、組織の拡大に尽力します。そして地球への「コロニー落とし」という行為により、地球連邦にジオン発祥の地「サイド3」の譲渡を認めさせました。

 これら一連の流れを見ていくと、ハマーンの政治的決断の的確さがよくわかります。いかにハマーンの資質が政治向きだったといえるかの証明でしょう。思えば「シャア・アズナブル」が摂政に推挙したというのも、この手腕を見込んでのことだったかもしれません。

 しかし、この後のネオ・ジオンは崩壊へと向かうことになりました。それはハマーンの「政治家でない部分」が招いたことかもしれません。


著:北爪宏幸『機動戦士Zガンダム Define』第12巻(KADOKAWA)表紙に描かれたハマーン・カーン

意外だったハマーンの「弱点」 組織は内部反乱で崩壊へ

 ハマーンの政治的手腕は外向けには発揮されましたが、その一方で「内側からの反乱」という形で足をすくわれました。

「グレミー・トト」の野心には気づいていたハマーンですが、それを止められず組織崩壊してしまいます。ハマーンにとって予想外だったのは、グレミーの裏切りというよりも、そのタイミングだったかもしれません。

 グレミーの反乱はネオ・ジオンがようやく組織として安定した直後のことです。グレミーとしてはハマーンの虚をつく一手でした。しかし同時に組織が不安定な時期であり、その後を考えた際に「ここではないだろう」というタイミングです。

 そういう点ではグレミーの見積もりの甘さと、その迂闊さを計算できなかったハマーンの失策が重なったのかもしれません。この結果、グレミーの反乱はネオ・ジオンの崩壊を招くだけとなりました。

 どうやらハマーンは理知的な行動には先手を打てる冷静な判断力を持つものの、感情的な行動は読み切れず足元をすくわれる傾向があるのかもしれません。そう考えると、「カミーユ・ビダン」や「ジュドー・アーシタ」といった若きニュータイプが鬼門となるのは当然なのでしょう。

 周囲が大人ばかりの環境で育ったハマーンの短所は、「若さゆえの感情に任せた行動を予測できない」と考えると、皮肉なものです。もっと子供らしく育っていれば理解できたのでしょうが、そうすれば卓越した大人の駆け引きができるようになったのかは分かりませんので、痛しかゆしというところでしょうか。

 もしもハマーンが純粋に政治家であったなら、宇宙世紀という世界から争いは減っていたのかもしれません。なまじパイロットとしての能力が高すぎたことが、ハマーンの悲劇だったのでしょう。

配信元: マグミクス

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