超光速時代の幕開けになるか?

この2つの研究により、ワームホール航法が物理学の常識に反せず、人間にとって安全に実現できることが示されました。
もしこの2つの論文が正しければ、ワームホールさえ生成できれば、人間は銀河全域に進出できることになるでしょう。
現在ワームホールの生成方法は不明ですが、兄弟であるブラックホールのほうは見通しが立ちそうです。
現在人類が稼働させている粒子加速器は、理論的に極小のブラックホールを生成できると考えられており、世界各地でブラックホールを生成するプロジェクトが進行しています。
粒子加速器で生成されるブラックホールは非常に小さい上に短時間で消滅すると考えられているため、地球や太陽系が飲み込まれてしまう可能性はわずかです。
遠い将来、ブラックホールに続いてワームホールも生成できれば、人類は本当に星々の海に漕ぎ出すことができるかもしれません。
参考文献
Physicists Propose New Idea for “Human-Safe” Wormholes
https://futurism.com/physicists-human-safe-wormholes
元論文
Traversable Wormholes in Einstein-Dirac-Maxwell Theory
https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.126.101102
Humanly traversable wormholes
https://doi.org/10.1103/PhysRevD.103.066007
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部

