9月21日のGⅡ・オールカマー(中山・芝2200メートル)は、1着馬に天皇賞・秋への優先出走権が与えられることを含めて、やはり「ココを狙ってきた馬」に白羽の矢を立てるべき、と考える。
中でも以下の2頭は、人気の盲点になっているという点で、注目に値する。陣営の勝負度合いの高さと人気のギャップにこそ、穴馬券の大ヒントが隠されているからだ。
1頭目は、ブービー人気が予想される、リカンカブール(騙6)だ。近3走は全く冴えない成績に終始しているが、なによりも前走のGⅢ・小倉記念(小倉・芝2000メートル)を叩いた臨戦過程に、陣営の勝負度合いの高さが見て取れる。
実は昨年もGⅢ・函館記念(函館・芝2000メートル、8着)を叩いた後に、オールカマーで3着と巻き返している。しかも関西馬ながら、中山・芝の中距離戦は、得意コースのひとつ。狙いどころにはコト欠かない「西の刺客」と言えるだろう。
2頭目は、やはり人気を大きく落としそうな、リビアングラス(牡5)だ。重賞勝ちこそないものの、GⅡ・京都新聞杯(京都・芝2200メートル)3着、GⅠ・菊花賞(京都・芝3000メートル)4着、GⅡ・京都記念(京都・芝2200メートル)2着、GⅡ・日経賞(中山・芝2500メートル)4着の実績を誇る実力上位馬である。
今回は前走のGⅡ・札幌記念(札幌・芝2000メートル)6着を叩いての参戦。初重賞制覇を目指しての「意欲の東上」であることは間違いなかろう。
この2頭以外では、ドゥラドーレス(牡6)とコスモキュランダ(牡4)、さらにはフェアエールング(牝5)とシュバルツクーゲル(牡4)も、前走を叩いて「ココを狙ってきた馬」に該当する。
しかしドゥラドーレスとコスモキュランダの2頭は、いわゆる人気過剰の感が否めない。一方、残りの2頭は人気こそないものの、能力そのものに疑問符がつく。馬券的には押さえの評価にとどめるのが妥当だろう。
(日高次郎/競馬アナリスト)

