ラ・リーガは、12月20日に予定されていたラ・リーガ第17節ビジャレアル対バルセロナ戦の米国マイアミ開催を中止することを発表。選手やクラブなど多方面から批判が寄せられ、抗議活動が展開された結果、米国のプロモーター「リレバント・スポーツ」が「スペイン国内の不確実な情勢」を理由に開催を断念したためである。
そして英国の日刊紙『The Guardian』は、この決定がイタリアにも影響を及ぼす可能性を示唆。「来年2月に予定されているミラン対コモ戦がオーストラリアのパースで行なわれるかどうかについて、深刻な疑念が生じている。今月、UEFA(欧州サッカー連盟)からは『例外的なケース』として承認されたものの、欧州サッカーの統括機関内部の幹部たちは、セリエAが前例を破って8500マイル(約1万3600キロ)も離れた場所で試合を行なう可能性が後退していると感じている」と報じた。
「セリエAが、この極めて物議を醸す計画を最終的に確定するには、AFC(アジア・サッカー連盟)、フットボール・オーストラリア、そしてFIFA(国際サッカー連盟)の承認がまだ必要である。事情に詳しい関係者によると、AFCは外部から『試合開催を承認するな』という強い圧力を受けているという」
ミランのMFアドリアン・ラビオは豪州遠征に対して「狂気じみている」「ばかげている」と批判し、またFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長も、他大陸でリーグ戦を開催することは「大きなリスク」であると発言しており、ラ・リーガ同様にこちらも否定的な意見が多く寄せられているのは事実である。
同メディアは、「FIFAはこの中止について公式コメントを出していないが、前例を作らずに物議を醸す問題がいったん棚上げになったことに安堵しているようだ。FIFAは『国際試合』と呼ばれるものに関する規定の改定作業を開始しており、完全禁止とすることが可能かどうかについて、法的助言を求めているという。来年初めには、改定できることを期待している」と伝えたが、この動きは欧州各国から多くの賛同を得ているようだという。
「プレミアリーグもまた、今回の延期を内心では歓迎している。というのも、2008年に当時の最高経営責任者リチャード・スカダモア氏が提案した『第39節構想』に対して批判を浴びた経験から、リーグ戦を海外開催することに強く反対しているためだ。FA(イングランド・サッカー協会)や、DFB(ドイツ・サッカー連盟)を含む欧州の主要協会も、この『革新』に反対の立場を取っており、すでにその意向をUEFAに伝えている」
一方、『Daily Mail』紙は「ラ・リーガは火曜日、マイアミでのビジャレアル対バルセロナ戦開催の計画を撤回すると発表し、強く反対してきた多くのファンや選手たちを喜ばせたが、セリエAはパースでのミラン対コモ戦開催の有無についてまだコメントを出していない」と報じるとともに、UEFA公認のファン連絡団体「フットボール・サポーターズ・ヨーロッパ(FSE)」の声明を紹介した。
この声明では、「ラ・リーガの時代遅れのアイデアは、再び崩壊した。試合は本来あるべき場所であるビジャレアルで行なわれることになった。常識が勝利した。これは欧州サッカーにとって、そして『試合は地域社会の中心にあるべきだ』と信じる全ての人々にとって、画期的な勝利である。次はセリエAが自らの計画を撤回する番だ。(中略)情熱は“輸出”できない」との主張が繰り広げられ、AFCに対してセリエA開催の中止を働きかけることも明言されている。
しかし、同メディアは「一方、西オーストラリア州の副首相兼スポーツ大臣リタ・サッフィオティ氏は、セリエAの代表者たちは依然として『試合開催の方針を強く維持している。リーグ側からは非常に前向きな言葉を頂戴しており、我々は開催に向けて大きな自信を持っている』と語っている」とも伝えている。
イタリアのサッカー専門サイト『TUTTO mercato WEB.com』は、ミラン対コモ戦への「ドミノ効果」については「まだ確定していない」との見解を示し、その根拠として、まずイタリア選手協会(AIC)が現時点で、リーガのように選手の抗議行動や公的なアクションを計画していない点を挙げる。「AICは、今回の試合開催についてではなく、今後、海外でのリーグ戦開催を恒例化させないことに重点を置いているという」。
また、スペインではリーガ自体が米国での試合開催を強く推進したのに対し、イタリアの場合は「ミランがコモとの試合をパースで開催することの最大の推進役となっている」という違いも指摘。豪州遠征の目的については、「試合開催による800万~900万ユーロ(約14億~16億円)という比較的控えめな額の経済的な収益よりも、豪州という市場におけるブランドとイメージの構築に重点を置いている」と説明した。
マーケティングの開発という点では、ミランの対戦相手であるコモも「セリエAの視野を広げることは、リーグ自体の存続にとって不可欠だ」とその必要性を強く訴え、プロジェクトを断念したリーガのハビエル・テバス会長は「スペイン・サッカーは、前進し、世界に打って出て、自らの未来を強化するための機会を失った。『伝統の擁護』が、狭量で地方主義的な視点から叫ばれている」と失望を表わし、またバルセロナのジョアン・ラポルタ会長も同調している。
構成●THE DIGEST編集部
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