
多くのウルトラヒーロがジャケットに描かれた、「ウルトラマン テーマソング・セレクション ウルトラマンアーク」(日本コロムビア)
【画像】「ウルトラの母より多いのか」これが、意外なウルトラ戦士「客演」ランキング(2位以下)です(6枚)
ヒーローごとに「客演」の回数を数えてみたら?
「ウルトラシリーズ」で、新旧ヒーローが力を合わせて敵と戦うシーンは興奮モノです。そこで、もっとも客演回数が多いウルトラ戦士は誰なのか数えてみました。
対象としたのは、1966年の初代『ウルトラマン』に始まる、地上波テレビのレギュラー放送番組としました。「客演」の定義は、タイトルになっているメイン戦士のもとに別作品のウルトラヒーローが登場して、何らかの活動を行うこと、あるいは、それがストーリー展開上に必要な出演であること(過去VTR映像のみ、イメージ映像のみは対象外)とします。
上記のような基準で「客演」回数をカウントしました。あくまで、筆者個人調べによるランキングなのでご了承ください。
では、コラボ回数TOP3をご紹介します。
●第3位「ウルトラマン(初代)」24回
1967年『ウルトラマン』放送終了から約4年半後、『帰ってきたウルトラマン』(帰マン)第38話でウルトラセブンとともに登場。ナレーションで「初代ウルトラマン」と紹介されたことで、帰マンとウルトラマンは、別者なのだと明確に認識されました。それまでは、ちょっとあやふやだったのです。
ウルトラマンの客演で印象深いのは、『ウルトラマンティガ』、第49話「ウルトラの星」でしょう。番組は、昭和ウルトラマンとは別の新シリーズなので基本的にコラボはあり得ないのですが、「ウルトラマン生誕30周年記念番組」ということから企画されたエピソードでした。
内容は、TVドラマ『ウルトラマン』誕生の秘密を描いたストーリーで、主人公「ダイゴ」が1965年へタイムスリップして「円谷プロ」へ迷い込み、最後は、ウルトラマンとティガのタッグで怪獣を倒すという、空想と現実が交わるような展開でした。放送から28年経過した今でも語り継がれる名エピソードです。
●第2位「ウルトラセブン」25回
メンバー屈指の人気を誇るセブンは、映画やOVAなどを含めると、いちばん露出が多いヒーローかもしれません。
『ウルトラセブン』放送終了から約3年後、『帰ってきたウルトラマン』第18話「ウルトラセブン参上!」で、再び姿を見せてくれました。次回予告を見た子供たちは大興奮だったでしょう。難敵「ベムスター」に敗れた帰マンに、セブンが新アイテム「ウルトラブレスレッド」を授けるという、見どころ満載の内容だったと思います。
ところが、話題性は十分なのに、視聴率16%と、思ったより伸びませんでした。理由のひとつに、あるハプニングが関係したと思われます。放送予定だった1971年7月30日未明に航空事故が発生し、その報道特別番組のため、翌週へ順延になったのです。
翌週8月6日の放送では、オープニング映像に乗せて、主役「郷秀樹」の声で、「先週は急にお休みしてごめんなさい。今夜はウルトラセブンも出ます」というナレーションでスタートしました。
そんな不運もありましたが、この客演は、後々のシリーズ化や「ウルトラ兄弟」という設定の遠因になったわけです。

1984年の映画「ウルトラマンZOFFY ウルトラの戦士VS大怪獣軍団」ポスタービジュアル (C)円谷プロ
最強なのか? 激弱なのか? 客演回数1位のウルトラ戦士
客演回数1位は「ゾフィー」(27回)でした。
ソフィーは宇宙警備隊隊長、ウルトラ戦士の長兄です。1967年の『ウルトラマン』最終回に初登場以来、TV放送では、たまにしか姿を見せない脇役にもかかわらず、レア度に比例して人気も高いヒーローです。
一般的にゾフィーは、「ウルトラ戦士最強」とたたえられていますが、ファンからは「激弱」と、逆の評価を受けることも多いです。
理由は「実績」です。特に昭和時代は……『ウルトラマンA』第13、14話では、ゴルゴダ星で十字架にかけられて敗戦。第26、27話では、「ヒッポリト星人」に、ブロンズ像にされて敗戦。『ウルトラマンタロウ』第18話は「バードン」の火炎攻撃で頭が燃えるなどコテンパンにされて死亡。しかも、野ざらしにされる屈辱……など、敵と戦う客演では、ほぼ負けています。
というのも、ゾフィーはあくまでサブキャラなので、結局、主役の引き立て役にならざるを得ないからです。これは、ゾフィーにかかわらず客演で登場した戦士全員にいえるので、「弱い」というのは少しかわいそうな気がします。
時代が平成に変わるとシリーズ設定が新しくなったため、昭和時代のウルトラ戦士は、ほぼ登場する機会がありませんでした。
雰囲気が変わったのは、2006年の『ウルトラマンメビウス』です。昭和シリーズの続編というコンセプトなので多くの仲間が客演しました。
その最終回で、ゾフィーは、メビウスとともに、暗黒宇宙大皇帝「エンペラ星人」と対戦し、必殺「M87光線」を放って勝利します。最強戦士ゾフィーが輝いた最高の客演だったと思います。
ちなみに、第4位は「ウルトラマンジャック」(帰マン)の18回、第5位は「ウルトラの父」14回でした。
およそ半世紀前に活躍した懐かしい名前が上位なのは当然かもしれませんが、その人気が不変というのが、ウルトラシリーズの素晴らしさだと思います。
