「スポーツの力で病気にさせない社会を」というスローガンを掲げ、今年7月の参院選・東京選挙区で、自民党の新人として初当選したのは鈴木大地氏である。1988年ソウル五輪、競泳の金メダリストであり、指導者を経て、2015年には初代スポーツ庁長官に就任。2021年6月からは日本水泳連盟の会長を担ってきた。
実はかつて、テレビでの問題発言が物議を醸したことがある。2024年10月2日、バラエティー番組「ぽかぽか」(フジテレビ系)に、日本バレーボール協会の川合俊一会長とともに生出演した。そこで会長職について聞かれ、ついポロリと本音を漏らしたのである。
「みんな、やりたがらないんですよね。言っていいのかなあ、罰ゲームみたいなもんなんで」
これにMCのハライチ・澤部佑は驚いて「え~っ、言わないほうが…」とフォローしたものの、鈴木氏は真顔でこう続けたのだった。
「(給料は)ないないない。日当は出ますけど、基本的にボランティアです。基本的には恩返し。職場(順天堂大学)の理解があるからできている」
そうぶっちゃけると、スタジオには驚きと笑いが。
鈴木氏は2021年から、順天堂大学スポーツ健康医科学推進機構の機構長を務めているが、日本水連会長に就任後、選手に対するサポート環境整備や改革などで存在感を示しているとは言い難い状況に。
水泳界では2020年の千葉すずによるスポーツ仲裁裁判所への提訴騒動をはじめ、選手とコーチと連盟をめぐるトラブルが続発。その前年夏の世界水泳では、平井伯昌コーチと梅原孝之競泳委員長が衝突。組織作りに支障が出て、パリ五輪で獲得したメダルはわずか銀1個という無残な結果に終わってしまった。
鈴木氏は現役選手として、また指導者として現場を見てきており、現場と連盟との微妙な関係を熟知する立場にあった。であればなおのこと、会長として連盟内の改革に着手すべきだった。
「それもせず、テレビであんな発言をすれば『どうせボランティアだからだろ』という声が出るのは当然のことでしょう」(スポーツライター)
鈴木氏は今年6月末に、水連会長に再選(任期2年)。ボランティアの日当支給なのだろうが、本業の参院議員に支給される歳費の原資は言うまでもなく「税金」だということを、忘れてはならない。
(山川敦司)

