ろくろ首、のっぺっらぼうが現れる『妖怪百物語』
着物姿の女性の白いうなじがぬぅ~と伸びていく「ろくろ首」が登場するのは、特撮時代劇『妖怪百物語』(1968年)です。ろくろ首の他にも「のっぺらぼう」「からかさ」「カラス天狗」などの有名妖怪が次々と登場し、物語のラストには百鬼夜行を繰り広げます。
安田公義監督は『大魔神』(1966年)なども手がけており、まだCGがなかった時代の特殊造形による妖怪たちは、どこかキッチュなかわいらしさも感じさせます。
注目ポイントは、タイトルに謳われている「百物語」という朗読スタイルです。ひとつの怪談話を終えるたびに1本ずつロウソクの火を消し、百の怪談話を終えて最後の火を吹き消すと本物の妖怪が現れると言われています。江戸時代に大ブームだったそうです。
ベテラン女優の白石加代子さんは、1992年から「白石加代子 百物語」シリーズの公演を長年にわたって続けました。99話を語り終えたところで公演は一度フィナーレを迎えましたが、その後もアンコール公演が行われています。独特な声で白石加代子さんが語る様子を見ているだけで、ゾクゾクするものがあります。白石加代子さん自身が、すでにモンスター級の女優であることは間違いありません。
「あずき洗い」が意外な活躍をみせる映画も?
神木隆之介さんが12歳のときに主演したのは、三池崇史監督の『妖怪大戦争』(2005年)です。忌野清志郎さんが「ぬらりひょん」、阿部サダヲさんが「川太郎」、岡村隆史さんが「あずき洗い」、蛍原徹さんが「豆腐小僧」、そして漫画家の水木しげるさんが「妖怪大翁」という、妖怪オールスターとも言える超ゴージャスなキャストでした。
人類滅亡を企む怪人・加藤保憲を豊川悦司さんがクールに演じているのも見ものですが、特殊メイクを施した女優陣の美しさも忘れられません。「川姫」の髙橋真唯さんの濡れた太ももがなまめかしく、「ろくろ首」の三輪明日美さんのチラリズム、「雪女」の吉井怜さんの透けるような白い肌も、目に留まります。とりわけ、栗山千明さんが演じた「鳥刺し妖女」のセクシーさは、魔性級の美しさだと言っても過言ではありません。
今回紹介した『怪談』『妖怪百物語』『妖怪大戦争』は、U-NEXTなどで配信中です。小泉八雲とセツが愛した不気味だけどキュートな妖怪たちが、これからどのように『ばけばけ』の物語に絡んでいくのか楽しみです。
※「高石あかり」の「高」は、はしごだかです。
