名より実か。9月28日のスプリンターズステークス(中山・芝2000メートル)を皮切りに、秋のG1シリーズが開幕する。G1ともなれば、有馬記念やジャパンカップの1着賞金5億円を筆頭に、高額賞金が目白押しだが、賞金が高額で競馬が盛んなのは、日本だけではない。南半球のオーストラリア競馬は、高額賞金揃いのレースがあることで有名だ。
そんな豪州競馬に、シュトラウス(牡4、美浦・武井亮、父モーリス)が参戦するという。8月10日のCBC賞(GⅢ)で2着、2024年の東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅡ)を勝った馬だ。挑むのは11月1日にランドウィック競馬場で行われる、ラッセルボールディングステークスだ。このレースには日本の競馬にはない特徴がある。距離が芝1300メートルなのだ。
高額賞金を争うこのレースについて、海外競馬に詳しいターフライターは次のように話す。
「グレードがG1などではなく、条件戦です。にもかかわらず、賞金総額は約300万豪州ドル(約3億円)と、かなりおいしいレースですね。ただ、この1300メートルという距離はクセ者です」
そもそもJRAには1300メートルのレースはなく、1200メートルあるいは1400メートルになる。
「わずか100メートルの違いかもしれませんが、この100メートルがどう影響するか。主戦はG1レース4勝の北村宏司ですが、1300メートルのレースに騎乗したことはないでしょうからね」(競馬サークル関係者)
このレースは過去に何度か名称を変更しているが、1300メートルという距離から、これまで日本馬が参戦したケースは見当たらない。それだけに、実現すればシュトラウスの走りは大いに話題になることだろう。同馬は初の海外遠征に備えて、前走後は福島県のノーザンファーム天栄で調整中だ。
(阿部勝彦)

