レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコ博士は、F1アゼルバイジャンGPの初日の走行について、決勝に向けて自信を感じたようだ。そして角田裕毅について、課題とされているロングランペースが素晴らしかったと賞賛した。
F1アゼルバイジャンGPの初日フリー走行2回目では、フェラーリ勢が1-2、メルセデス勢が3-4番手となる中、レッドブル勢はマックス・フェルスタッペン6番手、角田14番手となった。
マルコ博士はFP2終了後に記者団に対して次のように語り、初日の走行を振り返った。
「ロングランには期待が持てるね。上位争いができる位置にいると思う」
マルコ博士は、フェルスタッペンの走りについてそう語った。
「予選ラップに関しては、コンマ1秒かコンマ1.5秒程度見つけなければいけないが、それは微調整すれば可能だろう」
「つまり、予選ペースでもそれほど差が開いていないということだ」
「今回のレースは、前回の勝利が一過性のモノではなかったことを証明できると思う。明日の予選では、トップ3に入れると確信しているよ。つまり決勝でも優勝を争えるということだ。勢がつけばつくほど、マシンのセッティングの幅が広がり、セッティングを整えるのも容易になる。これは間違いなく前進だ」
「ロングランを見る限り、マクラーレンと互角に戦えると思う。予選で改善点を見つけなければいけないけどね」
優れていた角田裕毅のロングランペース
なおFP2ではフェルスタッペンがソフトタイヤを履き、1分46秒台のペースを安定して刻んだ。一方で角田はミディアムタイヤを履き、やはり1分46秒台のラップタイムを連続させた。しかもこの角田のロングラン中のベストタイムは、ミディアムタイヤでのロングランを行なった10台のうち最速であった。角田はここ数戦のFP2でのロングランは、最も遅いと言っても過言ではないペースだった……そこから脱却した兆しが見えたとも言えそうだ。
そして角田もチームも、現在の課題はロングラン時のペースの遅さにあると公言し、その解決が必要だと語っていた。これが解決されたようにも見える。
マルコ博士も、FP2での角田のロングランを、ぶら下がり会見に集まった日本のメディアに対して、わざわざ語った。
「マクラーレンはふたりともウォールにぶつかったからね、アタックタイムは、正しいモノとは言えないだろう。それから……あなた(日本人メディア)にとって良いことは、ユウキは非常に良いロングランだったということだ」
「ユウキのロングランのペースは、マックスとほぼ同じ速さだった」
なおマルコ博士は、今回の角田のマシンには、フェルスタッペンと同じフロアを使っていると認めた。
「今回のユウキは、マックスと同じ装備を使っているよ」

