F1メキシコシティGPの最終盤、カルロス・サインツJr.のウイリアムズがサーキットの最終区間でストップしたことで、バーチャル・セーフティカー(VSC)が宣言された。
このVSCが宣言された理由について、FIAが説明した。
メキシコシティGPの決勝レース終盤、シャルル・ルクレール(フェラーリ)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)による2位争いが白熱した。しかし残り2周となったところでVSCが宣言され、ふたりの戦いに水を差した。
このVSCが解除されたのは、ふたりがセクター1を通過した後のこと。フェルスタッペンにはルクレール攻略のチャンスがあまり残されておらず、最終的にルクレール2位、フェルスタッペン3位という結果に終わった。
このVSCは最終セクションでサインツJr.が止まったから宣言されたもの。この理由について、FIAの広報担当者はレース後に次のように説明した。
「サインツはスピンし、ターン14アウト側のランオフエリアに停止した」
「その後マシンは煙を出し、レースコントロールに火災の通知が届いた。これにより、マシンの回収にはマーシャルの介入が必要であることが明らかになった」
「マーシャルがマシン回収のために出動する際の標準的な手順として、レースは中断される。今回のケースでは、マシンがバリアの背後、安全な場所に移動されるまで、VSCが作動した。マシンが安全な位置に移動するとすぐにVSCは終了となり、グリーンフラッグ下でフィニッシュすることになった」
なおサインツJr.本人は、この時の状況について次のように語っている。
「当時僕は、ただプッシュしていたんだ。ランス(ストロール/アストンマーティン)の後方で全開でプッシュして、14位に上がれるかどうかを試していた」
そうサインツJr.は語った。
「でもタイヤがオーバーヒートして、ハーフスピンしてしまった。それでとにかく、マシンをリタイアさせようとしていた」
「セーフティカーやVSCが出るのを避けるために、マシンをバリアの外に移動させようとした。自分にできる、最も安全な行動だったと思う」
当時の映像を見ると、サインツJr.はターン14の立ち上がりでスピンし、アウト側のテックプロバリアに軽くクラッシュ。そのまま半分逆走のような形でランオフエリアを進み、ターン14から最も近い場所にあるバリアの切れ目までマシンを移動……マーシャルの手を煩わせないようにした。
しかしノーズを突っ込むことはできたものの、マシンの後方半分がバリアからはみ出した状態で停めてしまったため、VSCのきっかけとなったと言えそうだ。

