ふと首に触ったら何だかザラザラしていて、よく見ると小さなポツポツができていた! という経験はありませんか? 首だけではなく、脇や胸、おまたにもできることがあるという「軟性線維腫」とはどのようなものなのでしょうか。自身のクリニックで皮膚科も併設している泌尿器科医の窪田徹矢先生に教えていただきました。

教えてくれたのは…
監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)
獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。

首にできたポツポツの正体は?



軟性線維腫という良性の腫瘍

軟性線維腫は首周りに多発する1〜3mm前後の柔らかい良性の腫瘍です。首以外にも脇や背中、胸、おまたにできることもあります。

「首元に多発するのは日光に当たるからです。

脇やおまたなどは歩いたりすると擦れが生じるので、それも軟性線維腫の原因になります。

あとは皮膚の老化現象によっても軟性線維腫はできます」(窪田先生)

加齢とともに増える老人性イボとどう違うのでしょうか?

「見た目がまったく違いますね。老人性イボは茶色っぽい色をしています。皮膚の色に近いものもありますが、ゴツゴツとした形状をしていますし、大きさも数mmくらいの小さなものから、2〜4cmくらいの大きなものまであります。

軟性線維腫は首などに小さくポツポツとたくさんできますし、色も肌色〜薄茶色と皮膚に近い色合いをしています。

直径も1〜3mmと非常に小さいのですが、触ると出っ張りがあるのがわかるくらい高さがあります」(窪田先生)

ただし、中には1cmくらいまで大きくなるものもあり、懸垂性軟性線維腫という皮膚にぶら下がるような形状になることもあるそうです。

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軟性線維腫はどうしてできるの?



原因は日常生活に潜んでいる

軟性線維腫ができる原因は主に3つ。

・紫外線
・摩擦による刺激
・皮膚の老化

「若い方は基本的に軟性線維腫はできません。

良性のものではありますが、皮膚の老化や体質などが関係しているので加齢とともにできやすくなります。日光に当たる機会が多いと、その分軟性線維腫ができやすいということもあります。

軟性線維腫は30代、40代くらいからできてきます。病院に来られるのは50代の方もいらっしゃいますね。

やはり、外出の機会が多いので見た目が気になるという方が多いです。

ただ、老人性イボと違って軟性線維腫は年を取ったらほぼ全員にできるというものではありません」(窪田先生)