ふくらはぎを収縮させるいわば血管のマッサージ

つま先歩きで毛細血管を修復!

そこで、私がお勧めしたいのは、運動によってふくらはぎの筋肉を刺激することです。「つま先歩き」は、このふくらはぎの刺激にたいへん役立つ運動といえるでしょう。

毛細血管の流れを改善するために、私はこれまで、その場足踏みや、かかと上げといった運動を勧めてきました。それらとつま先歩きは、いずれもふくらはぎの筋肉を収縮させる、という点で共通しています。

人間の体の中で、毛細血管が発達しているのは、脳・肺・肝臓と、筋肉です。脳や肺、肝臓は自分の力ではどうにもなりませんが、筋肉なら、自分の意志で動かすことができます。体の筋肉のうちで、最も毛細血管が密集しているのが、ふくらはぎです。

ふくらはぎは、よく「第2の心臓」といわれます。ふくらはぎを刺激し、筋肉の収縮・弛緩をくり返すことで、筋肉のポンプ機能が働き、毛細血管の血流が促されます。

下半身の末梢循環はどうしても悪くなりがちですが、このポンプ機能の働きで、下半身で滞っていた血液がスムーズに心臓へと戻されます。すると、それが全身の血液循環の改善にもつながるのです。

ふくらはぎを動かすことは、いわば、血管をマッサージしているようなものです。私たちの研究では、こうした血管マッサージが全身の筋肉その物を健康に若々しく保ってくれることもわかってきています。

重要なのは、こうした運動を毎日続けることです。無理のない範囲でつま先歩きを続けて、ぜひ毛細血管の強化に役立ててください。

この記事は『壮快』2022年7月号に掲載されています。

画像参照:https://www.makino-g.jp/book/b605811.html