ラランヌ夫妻の彫刻作品を特別公開!ディオール本店のイベントへ【2023年春夏パリコレ通信】

オートクチュールやパリ、ミラノコレクションの取材を続けているファッション・ディレクターの萩原輝美さんによる最新コレクションリポート。今シーズンの傾向と、ディオール本店で開催されたエキシビションの模様を現地からお届け。

ミラノに続いてパリコレクションです。パリはぐっと気温が下がり、ほぼ毎日、雨降りのコレクション期間となりました。日本からの参加ブランド数は、コロナ禍以前のように増え、従来の活気を取り戻しています。屋外の会場を選んだブランドも多く、あいにく傘をさしながらのショーとなりました。

パリコレクション期間中はショーの他、ジュエリーやアクセサリー、アートのエキシビションなども開催され、過密スケジュールです。

パリコレクションがスタートする前日、リニューアルしたばかりのディオール本店「30モンテーニュ」 でエキシビションがありました。1957年よりムッシュ・ディオールと親交があったアーティスト、ラランヌ夫妻のアート作品が11月3日に開催されるサザビーズ主催の作品展に合わせて、ディオール本店で公開されたのです。隅々にまで飾られた約20点の彫刻作品を、シャンパンを片手に鑑賞するという楽しいイベント。61年にも2人のアート作品が店内を飾ったそうです。


© Adagp, Paris, 2022

パリコレクションは、先シーズンから続いているY2K(2000年代)スタイルが登場。クロップド丈や肌見せが目立ちました。初日の「ディオール」は、ブラトップにクリノリンスタイルのスカートを合わせ、クラシックなディテールを肌見せしながらモダンに仕上げています。ふんだんに使われたレースや刺繡(ししゅう)のクチュール技が光っていました。

text: Terumi Hagiwara