たった5段の階段を上りきれない

夢のような冬でもぬくぬく暖か生活が終わり、その延長のような暖かい春を迎えていました。相変わらず手足は温かく、寒さを感じることはほとんどありませんでしたが、このころから疲れやすさや動悸を感じるようになりました。

睡眠時間は6〜7時間でぐっすり眠ったはずなのに朝起きるとだるく、自室からキッチンに行くまでの数mもゆっくりしか歩けません。食後の歯磨きの数分さえも鏡の前に立っていられず椅子に座って歯磨きをする毎日。さらにたった5段の階段を3段上った時点で心臓がドキドキして、次の一歩が出ないという状態の日々が続きました。

季節柄、気温も上がってきたし、日ごろの疲れがたまっているのかな? でも、この症状はもしかしたら更年期? と疑い始めました。それはネットで調べた更年期障害の症状例と自分の症状が同じだったからです。年齢的に少し早いような気もすると思いながら、しばらく無理をしないような生活を心がけました。

しかし、1カ月たっても2カ月たっても症状は変わらないばかりか他の症状も出てきたのです。いくら食べてもおなかが空き、食べても食べて太らない。さらに朝起きると、手の指の関節がパンパンにむくんでいて、グーパーができないのです。

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まさかの診断結果!と反省

年中ダイエットを意識していたその当時の私にとっては、食べても太らないことさえもうれしい状況でした。ただ、さすがにこれはおかしい。更年期ではないのかもと思い始めるように。

このころは手の指の関節のむくみが一番気になっていたため、これまでの症状も含め総合病院で診察を受けました。医師は丁寧に問診をしてくれ、血液検査の結果や手のむくみもしっかり診てくれた上で、「別の科に紹介状を書きますから、早急に予約を取ってください」と。

後日、診察を受けたのは内分泌科でした。検査の結果、私に告げられた病名は甲状腺の病気のバセドウ病で、その日から投薬治療が始まりました。このとき、初めてバセドウ病がどんな病気なのかを理解しました。これまでの私の体に表れたあらゆる症状がすべて当てはまります。

その当時の脈拍がなんと1分間に180回! 医師からも「横断歩道の信号機が点滅したら走って渡らないで、次を待つようにしてね」と言われ、自分の心臓にもかなり負担をかけていたことを反省しました。