待ったナシの少子化対策。政府は子育て世代を支援すべく様々な制度設計の見直しを行っています。それに伴い社会保険料や税金などの負担増も見込まれています。
子どもの将来のために貯蓄をしている家庭も多いと思いますが、せっかくの貯蓄に思いもよらない税負担を強いられるといった展開は避けたいところです。今回の「FPに聞きたいお金のこと」は、子ども名義の口座でコツコツ貯蓄をしている女性Mさんのご相談です。

30代女性Mさんの相談内容

未就学の子どものために、数年前から子ども名義の口座で貯蓄をしています。自分たちの貯蓄以外に、祖父母からもらったお祝いやお年玉などもこの口座に入れています。「子ども名義の口座は贈与税がかかるケースがある」と聞き、自分たちは当てはまらないか不安になりました。どのような場合に課税されるのでしょうか?また注意点などあれば教えてください。

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子ども名義の口座預金、親が管理するなら贈与税の対象外


財布を見る少年
【画像出典元】「stock.adobe.com/metamorworks」

「子どもの将来のために」と親が子どもの名前で銀行口座を作ることはよくあります。その理由としては「生活費などと別で管理したいから」というものが多いようです。

この場合は子ども名義ではあるものの親が管理している状態なので、実質は親の財産とみなされます。つまり、「子どもへ贈与している」とはみなされないため贈与税は課税されません。よってお年玉などを口座で管理している間は贈与税の心配はしなくて良さそうです。

一方、親が死亡した際は、子ども名義の預金も親の財産とみなされ、相続税の対象となる可能性があります。なお贈与税、相続税にはそれぞれ以下のように基礎控除があります。仮に課税対象となっても、非課税の範囲内で収まる場合もあります。

<贈与税・相続税の基礎控除(非課税の範囲内)>

贈与税の場合:原則年間110万円まで
相続税の場合:3000万円+600万円×法定相続人の数(3人の場合、4800万円)