「読書の秋」の由来や過ごし方とは?本を読む時にぴったりな読書グラス

「読書の秋」という言葉は、「秋は過ごしやすい気候で、ゆっくり読書ができる季節」という意味です。そんな「読書の秋」という慣習が定着したのは、漢詩や小説などが関係しているようです。本記事では読書の秋の由来や過ごし方を解説するとともに、秋に読みたいおすすめの本や、読書をする時に活用したい読書グラスを紹介します。

「読書の秋」の由来とは

読書する男性

秋になると必ず耳にする「読書の秋」という言葉。いつから、どのような理由で言われるようになったのでしょうか。その答えのヒントは、日本ではなく中国にありました。まずは「読書の秋」という言葉の由来を解説します。

中国の漢詩が起源

「読書の秋」の由来として多く語られるのが、古代中国の漢詩です。詠んだのは唐代の詩人として高名な韓愈(かんゆ)で、時代は8世紀頃とされます。問題の漢詩というのが「符読書城南詩」で、学問の大切さを伝えています。その中に以下のような一説が登場します。

「時秋積雨霽、新涼入郊墟。燈火稍可親、簡編可卷舒。」

これを日本語に置き換えると、「秋になり長雨があがって空も晴れ、涼しさが丘陵にも及んでいる。ようやく夜の灯に親しみ、書物を広げられる。」というような意味です。

この一説がきっかけで、涼しい秋の夜は読書に適しているという考えが浸透したと言われています。昔の人も、暑い夏が終わってゆっくり読書できる秋を心待ちにしていたのかもしれません。

日本では夏目漱石の小説がきっかけ

「読書の秋」の考えや習慣が日本に根付いたのは、有名作家・夏目漱石が1908年に発表した小説「三四郎」で件の詩を引用したことがきっかけとされています。

その後、日本は多くの戦争に突入しますが、戦後まもない1947年に「読書週間」が開始されます。読書の力で平和を築く目的があり、その期間は文化の日を中心とした10月27日から11月7日に固定されました。読書週間により「読書の秋」という言葉がより強く根付いたのです。

秋の気温も関係している

夏の暑さが過ぎ去って気温が低くなる秋は集中しやすい季節なので、ゆっくり読書をして過ごすのに適しています。人間の集中には気温や湿度が関係しており、さまざま研究報告を見ると22度前後の気温が集中に適しているようです。真夏日になることも多い8月が過ぎ涼しくなると、自然と集中しやすい環境が作られるのかもしれません。

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読書の秋に読みたいおすすめの本

本とライト

via unsplash.com

続いては、秋に読みたいおすすめの本を4冊紹介します。本を通して人生や家族、自分自身を見つめ直す時間になるはずです。秋の夜長に読書を楽しみましょう。

LIFE SHIFTE(ライフ・シフト)

イギリスの組織理論家である、リンダ・グラットンの著書「LIFE SHIFTE(ライフ・シフト)」は、資産を通して自分の生涯を考えられる本です。人生100年時代と言われる今をどう生き抜くか、そのアイディアが散りばめられています。

この本を読むと、ライフスタイルや変容を視野に入れ、どう生きていくかをじっくり考えられるはず。日本でも話題になった「老後2,000万円問題」にも触れているので、今直面している問題のヒントになるかもしれません。

鏡の法則

コロナ予防による自粛生活の中で、家族や友人との関係や自分の価値観に変化があった人も多いのではないでしょうか。付き合い方を変えなくてはいけないシチュエーションもあったでしょう。「鏡の法則」はそんな時にぴったりの本です。

目の前の世界は自分の心や過去を写した鏡とする、という考え方をいくつかのエピソードを交えながら紹介しているこちらの本は、多くの人が共感を寄せています。自分の行動を変えることが人を変えることにもつながる、そんな深いテーマですが、シンプルで読みやすく時間をかけずに気軽に読めます。

ミッドナイト・バス

家族について考えさせられる1冊。伊吹有喜の小説「ミッドナイト・バス」は、かつて離婚によってバラバラになった家族が、故郷の新潟を舞台にそれぞれの再生の道を模索する物語です。就職や結婚、子どもの独立とさまざまなライフイベントに沿って描かれるストーリーは、自身と重なる部分があるかもしれません。2018年には映画が公開されています。

流浪の月

凪良ゆうの「流浪の月」は、2020年本屋大賞で大賞を受賞した話題作。主人公の女性は幼い頃に誘拐された過去があり、周囲からの哀れみや善意に苦しめられて生きています。それは、世間が知る”真実”と彼女が知る”事実”が違うから。真実とは何か、善意とは何かを考えさせられる作品です。本を読む時間はもちろん、その後の大きな余韻まで楽しんでください。