畑泥棒だけじゃなかった

やって来たのは、パニ子の部活の後輩・カナコの家。玄関口に出てきたのは、カナコのお母さんでした。娘の部活の先輩がやって来たということで、てっきりパニ子はカナコのお客さんだと思ったお母さん。しかし、パニ子から用があるのはお母さんだと言われてビックリ。しかも「今日の夕飯はレバニラ炒めだそうですね?」と、夕飯のメニューまで当ててしまうのだから、さらに驚きます。

パニ子は「毎日の晩御飯で健康増進という理想の結果を実現するクラブ」に所属するコレ太の活動を手伝うという名目で、部員にその日の夕飯メニューを家の人に聞いてもらっていました。そして、スイセンが盗まれた翌日、ニラを使った料理にしようとしていたカナコの家に畑泥棒の犯人がいるに違いないとやって来たのです。ただ、部活のジャージを着ていたからといって、カナコが犯人というわけではありません。だって、あんなに激しい部活動をやっている子が、防犯カメラに映ったようにジャージがパンパンになるほど丸々と肥えているはずがないのですから……。

そう、犯人は目の前にいる貫禄ある体格のカナコのお母さんです。

「で、でもだからって、そ、それが私が犯人だという証拠だなんて……」

ここまできても、シラを切ろうとする様子を見て、今食卓にあるレバニラ炒めのニラが盗んだものであるなら、大変なことが起こると教えてあげました。

「待ってー!ダメ、食べちゃダメ―!」

そう言って、カナコのお母さんは大慌てで家の中に駆け込んでいき、畑泥棒の犯人であることが判明しました。パニ子が何よりも許せなかったのは、わが子の汗と涙がしみ込んだ部活のジャージを使って悪事を働いていたこと。神聖なジャージが汚されたような気がして、悲しかったのです。

そしてどうやら、カナコのお母さんはスーパーやコンビニでも窃盗を繰り返していたらしく、他にも被害者がゴロゴロ出てきたのだとか。今では子どもや夫からも見放され、実家にたたき返されたそうです。
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農業を営む専門家ならではの知識を活かした、畑泥棒への復讐劇でした。家族のためを思って節約やお小遣い稼ぎをしたかったなら、もっと違った方法を見付けていれば、何もかも失うことはなかったのかもしれないですね。

著者/パニコレ
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