イマドキの子育て事情「子育て世代」に必要なサポートとは?

今の若い親たち、また娘さん、息子さんを見ていて、今の子育ては、昔と違うなと思うことが多いのではないでしょうか?育児の環境もママ・パパの意識も、ご自身が親になってから、いろいろ変わってきています。イマドキの子育て事情を知って、若いママやパパ、お孫さんと関わると喜ばれるでしょう。イマドキの良いところも活用していくと楽しいです。

社会全体が赤ちゃんに、そしてママとパパに優しくなると良いと思います。未来ある赤ちゃん、希望が詰まった赤ちゃんに優しい世の中を目指しましょう。今回は、「子育て世代」への理解を深めるためのイマドキの子育て事情についてまとめました。

1.核家族で子育ての現状

1-1.夫婦でバタバタの毎日

核家族の増加で、夫婦二人で育児を担うことが増えてきています。内閣府の「男女共同参画白書 令和4年版」(2022年)によると、夫婦のいる世帯全体の約7割が共働き世帯です。経済的には、平均世帯収入は増えていますが、生活や子育てにかかる費用も明らかに増えているので、決して経済的な余裕があるとは実感していないでしょう。

他の月齢のような「持ち上がり」がないため、0歳児のほうが保育園に入りやすいことから、早めに0歳児を保育園に入園させて仕事復帰する方がいます。本当は、「もう少し育児に専念したいのに」という声も聞こえることがあります。また、母親のワンオペ育児と家庭保育が大変過ぎて、早期に仕事復帰を選ぶ方、また経済的なことを考えて復職される方もいます。それでも保育料の負担で、どうするのが最適なのか悩んでいる方もいます。いずれにしろ、赤ちゃんを育てながらのお仕事は、本当に大変そうです。

赤ちゃんや子どもたちに対して「早く、早く」が口癖になることで、「こんな生活でいいのか」「本当はどうしたいのか」など悩んでいるママも少なくありません。家族にとって何が良いかは、ママの気持ちや家族の状況で違います。お仕事をしている方も、家庭保育をしている方も、いろいろな悩みを持ちながらも日々一生懸命子どもを育てているのは、すごいことだと社会全体で理解したいです。

1-2.「子育て」は「孤育て」?

コロナ禍で、人と関わる機会が減っています。新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行後も、影響はまだまだ残っています。「子育て」を「孤育て」と表現する方がいるくらい孤独感を感じて育児している人たちがいます。家庭保育をしている時期には、特にそのような気持ちになりやすいです。「ひとつのいのちを育てる」ということは、何にも変えられない素晴らしい仕事なのです。しかし、ご本人がそう感じる余裕がない方もいます。

ぜひ、「子育て」の価値を、今の日常がどんなにすごいことをしているかを周りの方から機会があるごとに繰り返し伝えてほしいと思います。買い物中に「赤ちゃん、可愛いね」や「お母さん、頑張ってるね」と言われたり、電車に乗るときに、ちょっとした配慮をしてもらえたり、全くの他人からの言動であっても、ほんの少しのことでも、涙が出るほど嬉しいと聞きます。

1-3.責任の重圧に押しつぶされそうになる

夫婦で子育て、本当に頑張っています。特に、子どもと多く向き合う時間の多いママは、「いのちを育てる」ことがプレッシャーになっていることがあります。「子どもを育てる責任の重圧に押しつぶされそうになる」こんな言葉が聞かれます。自分が立派な完璧な母親でないことに自信を無くしていることがあります。

実際に、完璧な母親はいるのでしょうか。赤ちゃんと日々過ごしているだけで、素晴らしいことですよね。赤ちゃんが大切過ぎて心配な気持ちが表れているのでしょう。

そのようなママには、「あなたは、頑張っているから大丈夫」「一生懸命やっているから大丈夫」「赤ちゃんは、ママのそんな気持ちをわかっているから大丈夫」と、今、この瞬間を認めることを繰り返し伝えてあげてくださいね。

病院に行くほどではないけれど、ちょっとした気になることを聞く機会が、現在はとても少ないです。気になることをすぐに聞ける人がいるといいですね。親や姉妹、親しい友人がいれば安心です。身内がいなければ、行政の保健師や地域の助産師につながるのをおすすめします。リアルに相談できる人を持っているかどうかで、育児を楽しめるかが随分変わってきます。

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2.子育て情報はSNS・インターネットから

子育て中の情報は、SNSからが多くを占めます。スマホを見れば、誰でも最新のあらゆる情報が得られます。便利な商品は、日々開発され、使用した人の口コミも参考にできます。インターネットで数多くの商品を比較し、そして自宅からすぐに購入し、数日後には手にすることができます。これは、数十年前には、考えられなかった便利な世の中です。わからないこと、困ったことがあれば、すぐに検索して答えを探すことができるのが、イマドキの育児です。

2-1.SNS・インターネットの情報過多が大問題

SNS・インターネットは、情報を得るのに便利ではありますが、情報の多さに翻弄されている人も実は多いのです。商品を買い求めようとしても、あまりに種類が多く少しでも楽になればと、似た機能の多くの商品を買い求めていることがあります。

赤ちゃんの安眠のためのグッズを数多く持っている方にたびたびお会いします。赤ちゃんの寝かしつけにどれだけ苦労しているのでしょう。赤ちゃんが寝ないことを大問題に考えていますが、私は、ママの睡眠不足と精神状態が心配です。

2-2.子育ての疑問は、ネットでは解決しないかも

疑問があれば、インターネットですぐに答えを見つけて解決できる時代です。でも子育ての疑問は、そうはいきません。答えがない子育てについては、ネット検索を続けることで、さらに迷いが深くなってしまうことも多いです。心配事について複数のサイトを検索すると、異なる答えが出てくることもあり、どうしたら良いかわからなくなってしまいます。

赤ちゃんの発達のことや、身体のことで心配事を検索して、自分の赤ちゃんがまるで異常かのような、何か病気であるような気持ちになってきてしまう方も多くいらっしゃいます。検索することにより安心できたり、必要な支援に結びついたりするのなら良いのですが、かえって心配が増えていることもあります。

いろいろな人と出会えるリアルな機会があれば解決できることかもしれません。近所の人に「大丈夫よ〜」と言われる機会があったり、泣いている赤ちゃんを見て「元気だね〜」と言われたり、同じ月齢でも成長発達の個人差が多くあることがわかれば、少々の発達の遅れは気にならなくなるかもしれません。リアルな出会い、触れ合いが圧倒的に少ないのがイマドキです。インターネットでさらに不安が募ると自覚を持ったママは、「インターネットの検索魔は、やめました」と言っています。

2-3.目指すは「キラキラ子育て」?

SNSを見ると若くてきれいなママが笑顔で発信されています。離乳食の写真もとっても可愛く凝ったものが出てきます。イマドキのママは、そんな「キラキラした子育て」に憧れているかもしれません。子育てしていても若くて綺麗なママ。子育ても楽しみ、自分の時間も楽しみ、素敵ですよね。

それができるママは良いのですが、「自分にはできない」とプレッシャーになっているママもいます。自分のありのままで、自分のできる方法で、自分らしく目の前の子どもに向かっていけば良いのです。

SNSなどで、周りと比べてしまったり、平均と同じでないことに心配になることもあります。しかし、成長発達も個人差が多くあります。赤ちゃんの性質も、ママの性格も違います。目の前の赤ちゃんを見ながら育児をすれば良いのだという視点をお伝えできたらいいですね。「いのちを育てる」という大変に思えることも、面白がれたり、赤ちゃんのすごさや赤ちゃんの育つ力を感じられたりしたら素敵です。そのようなことを、人生の先輩から、機会あるごとにお伝えしてもらえたらと思います。