「フェラガモ」が2024年春夏コレクションを発表。自然体な心地よさを表現

9月23日、ミラノファッションウィークで「フェラガモ」の2024年春夏コレクションが発表された。

イタリアとカリブ海のドレスコードに着目

洗練されたモダニティ、そしてリラックス感が見事に融合する完成度の高いコレクションを披露した「フェラガモ」の2024年春夏コレクション。クリエイティブ・ディレクター、マクシミリアン・デイヴィスは、ブランドの哲学を探求し、進化させながら、彼独特の美学に自然体な心地よさを吹き込んだ。

「生地や構造だけでなく、人々がどのように着こなしたいかという点でも、もっと気軽に着られるものにしたかったのです。イタリア人のファッションやライフスタイルは、何事も自分のペースで行うという考えがベースにあり、カリブ的なリラックスしたムードも垣間見え、とても親しみを感じます」と語るデイヴィス。

イタリアとカリブ海のドレスコードの精神に類似点を見出しながら、1960-70 年代にイタリアで興った芸術運動であり、自然素材と人工物を組み合わせアートへと昇華させた「アルテ・ポーヴェラ」からもインスピレーションを得ているという。今回のコレクションでは、デイリーな素材であるリネンやコットンを、サテンにボンディングしてケープにしたり、レザーのように加工したり、磨き上げられた彫刻のような木製のアクセサリーやディテールと組み合わせたりと、自然素材を緻密なシルエットで洗練されたスタイルに昇華させることで、そのイメージを表現している。「とてもピュアでストレートなコレクションにしたいと考えました。親しみやすいワードローブであると同時に、手で触れた感覚がおもしろいものを作りたかったのです」

ヴィンテージのような風合いをまとったレザー仕立てのアイテムは、気取らない心地よさを表現し、正統派なテーラリングには、流れるようなスリットがあしらわれている。

フィレンツェの伝統でもあり、18 世紀のカリブ海のドレスにも見られるビスコース・ジャージーのドレープには、ルネサンス期の甲冑(かっちゅう)を彷彿とさせるレザーのボディスがインサートされて登場した。

エレガントなデイドレスの胸元の深いカッティングや、パテントのロングブーツとの組み合わせ、Tシャツの引っ張ったようなツイストなど、ディテールにもデイヴィスの感性が宿る。「フェティシズムは、私のクリエイションのDNAといえるもので、それを日常生活やワードローブに取り入れることで、新しいモダンなものを生み出せると思っています」

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アーカイブを進化させたシューズ

フットウェアにもコレクションのテーマがはっきりと表れており、ラテックス加工されたナッパレザーのシューズやブーツは、デイヴィスの美意識とフェラガモの誇る靴づくりのクラフツマンシップを活かし、快適な履き心地を実現。3D プリントと亜鉛メッキ加工を施したバナナケージ状のヒールのデザインは、1955年のアーカイブ「Calypso」からインスピレーションを得ている。プラットフォームでおなじみの曲線的なヒールは、ホーンを土台にした光沢のあるサンダルや、ビーズやストーンをあしらった T ストラップに姿を変えた。