パーキンソン病にも注意!高齢者の手の震えの種類や原因、対処法を解説

高齢になると手の震えが発生することも珍しいことではありませんが、中には手の震えの原因が病気であることもあるため、心配になるケースも多いでしょう。

しかし、高齢者の手の震えの原因のすべてが病気ではないため、まずは原因をしっかりと突き止めることが大切になります。

とはいえ、高齢者の手の震えの種類や原因について知らないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、高齢者の手の震えの種類や原因、対処法などについて詳しく解説します。

身近な高齢者の手の震えが気になり出したという方はぜひ最後まで読んでみてください。

高齢者の手の震えの種類

高齢者の手の震えの種類は以下の通りです。

姿勢時振戦
運動時振戦
企図振戦
安静時振戦

それぞれの種類について、以下で詳しく解説します。

1.姿勢時振戦

姿勢時振戦は、手を上にあげているとき姿勢を保っているときに発生する手の震えです。

新聞を読んだり、飲み物を飲むとき、高いところに置いてあるものを取るなど、手を通常の位置より高く上げる際に起こる手の震えとなります。

2.運動時振戦

運動時振戦は、手を動かしている最中に発生する手の震えです。

何か行動するときに手を伸ばす際、手の移動中に震えが発生しますが、行動が終了したときには手の震えは治ります。

例えば、机の上のものを取るとき、手を伸ばしてからものに触れるまでは手の震えが発生しますが、ものに触れてからは手の震えは治ります。

3.企図振戦

企図振戦は、ものを取ろうとする直前に強い震えになる手の震えです。

運動時振戦と似ている手の震えですが、運動時振戦は一定の手の移動中に一定の震えが発生することに対して、企図振戦はものに触れる直前に震えが強くなるという特徴があります。

例えば、飲み物を飲むときにコップが口につく直前に手の震えが大きくなるため、正常に飲むことができないというケースもあるのです。

4.安静時振戦

安静時振戦は、行動をしてないときに発生する手の震えです。

座っているときや寝ているときなど、手に力が入っていない状態でも手が震えてしまいます。

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高齢者の手の震えの原因

高齢者の手の震えの原因として考えられるのは以下の通りです。

生理的振戦
本態性振戦
パーキンソン病
甲状腺機能亢進病
アルコール依存症
薬剤性振戦

それぞれの原因について、以下で詳しく解説します。

1.生理的振戦

生理的振戦は、生理的な手の震えとなるため誰にでも起こる手の震えとなり問題はありません。

ストレスや重い物を持ち上げたときなどに一時的に発生します。

2.本態性振戦

本態性振戦は、手の震えの症状が発生する中でもっとも多い原因です。

手の震え以外の症状はありませんが、医療機関での検査でも明確な原因を突き止められないことが特徴となっており、高齢化や遺伝が原因になる場合もあります。

また、本態性振戦は手の動作中に発生する震えですので、じっとしているときには手の震えは発生しません。

3.パーキンソン病

安静時に起こる手の震えの原因の多くはパーキンソン病と言われています。

パーキンソン病は、65歳以上の高齢者の100人に1人の割合で発生する病気と言われているのです。

また、パーキンソン病は手の震えだけではなく足が震えることも多く、高齢者の転倒事故などの原因になるケースも多いため、早めにかかりつけ医に相談するようにしましょう。

4.甲状腺機能亢進病

甲状腺機能亢進病は甲状腺の活動が正常よりも活発になり、甲状腺ホルモンが多く分泌されてしまう病気で、バセドウ病やグレーブス病とも言われます。

手の震えの症状は手を上げたときに細かい震えが見られることが多いです。

甲状腺機能亢進病は、薬の治療で甲状腺機能を正常に戻すことで改善されます。

5.アルコール依存症

アルコール依存症の人がアルコールを一定期間摂取しなかった場合や、禁酒し始めたときに手の震えが伴う場合があります。

6.薬剤性振戦

喘息の治療などで使用する気管支拡張剤(テオフィリン製剤、β刺激剤)などがきっかけとなり手の震えが発生することもあります。