【温泉ソムリエに聞く】正しい入浴方法とおすすめグッズ、一度は行きたい温泉をご紹介!

世界屈指の温泉大国である日本では、各地にさまざまな温泉地があります。温泉をより快適に楽しむためには、正しい入浴法や安全な入り方を知っておきたいところ。そこで、今回は温泉にまつわる知識が豊富な温泉ソムリエの資格を持つ、株式会社ゆこゆこの木下さんと高野さんにお話をうかがいました。正しい入浴法からおすすめの温泉グッズ、スポットまで、詳しく紹介していきます。

木下 大地(きのした だいち)さん

温泉ソムリエ歴は5年半。宿泊プランをつくる宿泊営業部を経て、現在は「ゆこゆこ」の広告や広報担当のグループマネージャー。

高野 亜理沙(たかの ありさ)さん

温泉ソムリエ歴1年。宿泊営業部を経験し、現在は広報として、温泉宿の予約サービスである「ゆこゆこ」を多くの方に知ってもらえるような活動をしている。

ゆこゆこ

via www.yukoyuko.net

温泉宿のお電話予約サービス。宿泊情報誌『ゆこゆこ』やウェブサイト「ゆこゆこネット」などを提供。

温泉ソムリエはどんな資格?

――おふたりがお持ちの「温泉ソムリエ」の資格は、持っているとどんなことがわかるのでしょうか?

高野さん:まず、温泉ソムリエとは温泉ソムリエ協会が実施する民間資格です。温泉に関する知識や正しい入浴法などの技術を有していることを証明する資格です。温泉ソムリエで知識をつけると、まず旅館に飾ってある温泉分析書の読み方がわかるようになります。

例えば、泉質が炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、硫黄泉の場合、これらは三大美人泉質と呼ばれているため、「ここの温泉は美肌効果が期待できるんだな!」とわかります。一般的に、pH7.5以上の温泉だと弱アルカリ性で美肌効果が高いと言われています。ただし、pHが高ければ高いほど、肌の角質が溶けやすくなり、乾燥を招きやすい状態になるため、あがった後はすぐに保湿した方が良いですね。

木下さん:また、塩化物泉の場合は、保温効果が期待できます。肌に塩の成分が付着することで、汗の蒸発を防いでくれるのです。寒い季節はもちろん、冷え性の方にもおすすめですね。熱海などの海辺に多い泉質です。

高野さん:ちなみに温泉ソムリエになる前は、泉質をそこまで気にすることはありませんでしたが、資格取得後は効果を期待して温泉に入るようになりました。

木下さん:私も温泉ソムリエを取得することによって、温泉に関するさまざまな知識を知るきっかけになりました。また、正しい入浴方法を身につけられますね。

――ゆこゆこ様の中で、温泉ソムリエの資格をお持ちの方はどれくらいいますか?

高野さん:ゆこゆこの温泉ソムリエの数は200名弱※ほど。全社員の9割ほどが資格を有しています。日本全国で温泉ソムリエ社員が一番多い会社です。温泉のプロが揃っている会社だと思っております。

※2023年12月末時点

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温泉ソムリエが教える効果的&安全な温泉の入り方

ーー温泉ソムリエが教える「正しい入浴法」を教えてください。

高野さん:まずは、お宿のお茶菓子を食べます(笑)お部屋にお茶菓子が置いてあるのは実は意味があって、適度なカロリー補給が低血糖の予防になるんですよ!

木下さん:温泉に入る際に気を付けたいのが、先程もお伝えした通り、肌への刺激。温泉は成分が強い場合があるので、泉質によっては、あかすりやタオルでこすってしまうと肌を刺激しすぎてしまう可能性も。体を洗う際は手でやさしく洗ってあげる程度でOK。かけ湯が良いとされていますが、汗をかく夏や汚れがひどい時は洗ってから入りましょう。

また、入浴後の保湿はお部屋に戻る前に行うのがおすすめです。ラップに1回分の保湿クリームを包んで持っていくと便利ですよ。

高野さん:上がり湯については、泉質によって対応が異なります。酸性泉や硫黄泉などの刺激が強い泉質のものは洗い流した方が良いと言われています。刺激の少ない泉質の場合は、シャワーなどをせずにあがると良いです。これは、温泉の成分は入浴後3時間は肌からの浸透効果が持続するためです。

木下さん:成分の強い硫黄泉などは肌に合う、合わないがあるので、夜に入って少し刺激が強いと感じたら、翌朝入る時は時間を少し短くすると良いですね。

――温泉でよくある「のぼせ」を防ぐ方法はありますか?

木下さん:入浴後にのぼせやすい人は、頭に冷たいタオルをのせるのがおすすめです※。よく温泉のイラストなどでタオルを頭に乗せているものがあると思いますが、あれは実は理にかなっているんです!「のぼせ」は温泉に入って体が温まり、温まった血液が頭まで回ってしまうことで起きます。そのため、物理的に冷やすことでのぼせにくくなりますよ。

また、分割湯という方法でも「のぼせ」の予防に効果的です。例えば、40度くらいのぬるめの温泉であれば、5分入って休憩→8分入って休憩→最後に3分入るといった流れで入浴するとのぼせにくく、体を芯からあたためられます。熱めの温泉の場合は、3分ずつ3回入るのがおすすめです。温泉に限らず、自宅でも実践できる入浴法なので、ぜひ試してみてください。

高野さん:冷たいタオルは、立ちくらみの予防にもなります。立ちくらみは、入浴時に静水圧で下半身にかかっていた圧力が、お風呂からあがって解放されることで起きます。全身に血液が一気に巡ることで、血圧が下がってしまうのです。

お風呂からあがる時に冷たいタオルで顔を拭き、ゆっくり立ち上がると交感神経が適度に刺激されるので、血圧が維持されて立ちくらみがしづらくなります。

※温泉によってはタオルの持ち込みが禁止されている場合もあるので事前に確認をしてください。