ありのままの自分でいられる服を。新生「クロエ」は女性のエネルギーと自由を表現

新たにシェミナ・カマリをクリエイティブ・ディレクターに迎えた「クロエ」。メゾンの1970年代後半にさかのぼり、自由で自然な女性像を表現した。2024年秋冬パリ・ファッションウィークより現地リポート!

「シェミナ・カマリって誰?」と言う人もいるかもしれない。彼女はクロエをよく知る女性だ。1981年にドイツで生まれ、ロンドンのセントラル・セント・マーチンズ芸術大学でファッションの修士号を取得。キャリアをスタートさせたのが、フィービー・ファイロのチームの一員としてだった。2012年にクレア・ワイト・ケラーのもと、デザイン・ディレクターとしてクロエに復帰。その後、サンローランを経て、2023年にクロエのクリエイティブ・ディレクターに就任した。

カマリは、今回、1952年にクロエを作ったギャビー・アギョンの先進的な精神に敬意を表し、「直感、自由そして本能的な女性のエネルギーをテーマにしている」という。

1970年代風に、フリルやレースをふんだんに使い、軽やかで流れるようなシルエットを提案した。合わせるのはジーンズやロングブーツ。色はヌードやベージュなどナチュラルカラーが中心。

「ノスタルジーを感じさせながらも、私たちが生きている時代を映し出し、現代の女性がどのように感じたいかを先取りしています。何が正しいと感じ取れるか、なのです。クロエはあなたらしさを変えるのではなく、ありのままでいさせてくれます。自分の直感に従ってください」。これがカマリのメッセージだ。

text: 宮智 泉(マリ・クレールデジタル編集長)

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