母なる地球からのメッセージを込めて 「ステラ・マッカートニー」のショー

パリのアンドレ・シトロエン公園内の温室を会場に、最新作を発表した「ステラ・マッカートニー」。「地球にやさしい」を細部に至るまで体現したコレクションを披露した。2024年秋冬パリファッションウィークを現地よりリポート!

アンドレ・シトロエン公園にある温室に足を踏み入れると、雄大な自然の映像が流れる大きなスクリーンが目に入る。そして、聞こえてくるのは、イギリス人俳優のオリビア・コールマンとヘレン・ミレンの朗読。地球の代弁者としてのステラ・マッカートニーの役割を表現したマニフェスト「IT’S ABOUT FUCKING TIME」だ。

ファーストルックは、ダスティーピンクのオーバーサイズコート。続いて、肩を誇張したパンツスーツが登場。サヴィル・ロウで経験を積み、テーラリングを得意とするステラ・マッカートニーの原点とも言えるスタイルだ。また幼い頃にすごした田舎の庭の小道から着想を得たスクエアパターンも。

型押しクロコのトレンチコートは、リンゴ由来のヴィーガンレザー「UppealTM」を採用。またボリュームのあるバイカージャケットもスポンジのようなヴィーガンレザーを使っている。また、ドレスなどを飾るパーツも、鉛不使用やリサイクル可能なアルミを使用するなど、細部に至るまで、環境に配慮している。

マニフェストを体現しているのは、服だけではない。マニフェストが映し出されるソニーのスクリーンもリサイクル素材やサステナブルな素材から作られており、温室内はステラ・マッカートニーの「地球」が凝縮されている。

text: 宮智 泉(マリ・クレールデジタル編集長)

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