クロタネソウの別名でも親しまれているニゲラは、西洋では「茂みの中の悪魔」と表現されるほど、なんだか変わった風情の花姿をしています。チューリップやバラほどポピュラーではありませんが、「個性的な花を育ててみたい」とか「あまり見かけない植物にチャレンジしたい」と考えている方におすすめ。放任しても丈夫に育ち、ビギナーでも持て余すことなく楽しめますよ! タネをつけた姿も独特な愛らしさがあり、こちらはドライフラワーにして飾っても素敵です。この記事では、そんなニゲラの魅力や特性、育て方について幅広くご紹介していきます。

ニゲラとは?


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ニゲラは、キンポウゲ科クロタネソウ属の秋まき一年草です。ライフサイクルは短いほうで、秋にタネを播いた後に育苗し、冬になると生育が止まってそのまま年を越します。春の生育期になると茎葉を旺盛に伸ばし、4月下旬から7月上旬にかけて開花。開花が一通り終わったら、夏の暑さに耐えられずに枯死します。花苗店には苗が販売されているので、春に買い求めて苗の植え付けからスタートしてもよいでしょう。

ニゲラの学名は、Nigellaと表記します。地中海から西アジアに分布し、約15種あるとされています。日本ではクロタネソウの別名で親しまれており、これはニゲラ・ダマスケナ(Nigella damascena)で、主に南ヨーロッパに分布している種類です。

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ニゲラの特徴


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ニゲラの葉は糸のように細く、裂けて広がるような形で展開します。一見するとトゲトゲしいのですが、触ってみると柔らかいので扱いにくくはありません。花は、花茎を伸ばした先端に1輪つきます。花径は3〜5cmほどで、花色は白、ブルー、ピンクなど。花弁に見える部分は萼片で、トゲのように見える糸状の総ほう片が周囲を覆うようにつく、独特の花姿をしています。花がら摘みをせずに開花後そのままにしておくと、ふっくらとしたラグビーボールのような実がつきます。グリーンの実には縦に茶色のストライプが入り、トゲのような総ほう片が残る個性的な実姿にも観賞価値があります。この実はドライフラワーにしやすく、インテリアの素材にしても素敵です。

ニゲラの草丈は30〜80cmで、花壇の中段〜後段に向いています。細い枝や針のような葉は、少しの風でもゆらゆらと揺れ、繊細な佇まいを見せてくれます。適度に花つきがよく、野草のように楚々とした雰囲気を持っているので、ナチュラルガーデンなどに向いています。