真夏の暑さに負けず、カラフルな花を長い期間にわたって咲かせ、サマーガーデンを豊かに彩ってくれるカンナ。病害虫がつきにくく、丈夫で育てやすいのでガーデニングのビギナーにもおすすめです。この記事では、カンナの基本情報や特性、園芸品種、花言葉、庭への取り入れ方から詳しい育て方まで、幅広く取り上げていきます。

カンナの基本情報


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カンナは、カンナ科カンナ属の球根植物で、地下に生姜のような根茎をつくります。原産地は熱帯アメリカで暑さには大変強く、近年のような日本の酷暑にも負けずにカラフルな花を咲かせる夏咲きの花です。一方で寒さには弱く、5℃以下になると生育が止まり、凍結すると枯れるので、冬は掘り上げて貯蔵する対策が必要です。

カンナは、世界中に約50種類が分布するとされていますが、観賞用として流通しているのは、カンナ・インディカをはじめ「ハナカンナ」と呼ばれる園芸種のグループです。非常に人気の高い草花で、園芸品種は約1,000種にのぼるといわれています。

カンナの草丈は40〜200cm。ずいぶん幅がありますが、これは100〜200cmになる高性種と鉢栽培にも向く40〜50cmの矮性種、その中間種があるため。花色は赤、ピンク、オレンジ、黄色、白のほか、斑点などが入る複色も。楕円形で広く大きな葉を持ち、葉色も明るいグリーンのほか、ブロンズ色、葉脈に沿ってストライプ状になるものもあり、カラーリーフプランツとしても活躍します。全体に大ぶりで株幅が出るので迫力があり、トロピカルな雰囲気を持つ草花です。

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カンナのライフサイクル


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カンナは、春植え夏咲き球根植物に分類されています。一年のライフサイクルは以下の通りです。

一般的に花苗店などで球根(根茎)または種を入手することからスタートします。球根(根茎)の植え付け、または種まきの適期は5月頃。新芽を出して旺盛に生育し、開花期は7〜10月と長いほうです。暑さには大変強く、放任してもよく育つのですが、熱帯性植物のため冬の寒さにはやや弱い性質を持っています。そのため晩秋には枯れた地上部の茎葉を刈り取り、球根を掘り上げて貯蔵する一手間をかけましょう。越年してまた5月頃になったら庭や鉢に植え付けます。球根(根茎)のメンテナンスさえすれば、毎年の開花を楽しめるので、コストパフォーマンスの高い草花といえます。