トマトやナス、ピーマンは家庭菜園の定番人気野菜。昨年、栽培したという方も多いのでは? 今年も同じ野菜を育てるならば、植え付け前に「連作障害」対策が必須です。同じ場所で同じ野菜を繰り返し栽培することで起こる野菜の生育不良「連作障害」は、スペースが限られる家庭菜園につきものの課題です。連作障害とは何か、起こりやすい野菜や対策について、詳しく紹介します。

家庭菜園2年目から気をつけたい「連作障害」

トマトやナス、ピーマンなど定番の人気野菜は、作ったことがある方も多いのではないでしょうか。昨年、これらの野菜を育てて、今年もまた育てようと考えているならば、適切な対策をする必要があります。同じ場所で、またこれらの野菜を育てると「連作障害(れんさくしょうがい)」が起こる可能性があります。では、去年トマトを育てた場所とは別の場所でトマトを育てればいいのかというと、そう単純ではありません。連作障害は同じ「科」の中の野菜でも起きるため、トマトと同じナス科のピーマンやパプリカ、ナス、ジャガイモ、トウガラシ、シシトウを育てた場所も避けなければなりません。もちろん、トマトを育てた場所でこれらの野菜を育てることでも連作障害が発生する可能性があります。

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「連作障害」とは

連作障害とは、同じ植物、もしくは同じ科の植物を、同じ土壌で育て続ける「連作」によって、徐々に生育不良などの「障害」が起こることを指します。特に、栽培スペースが限られた家庭菜園では、特定の野菜を繰り返し栽培することが多く、連作障害が発生しやすいので、注意が必要です。

植え付け前に十分に土づくりをし、適期に苗を植えて大事に育てても、「連作障害」を起こすと野菜がうまく育たなかったり、実りが悪くなります。

連作障害の原因


立ち枯れたトマト。Photo/Mironmax Studio/Shutterstock.com

【細菌・ウイルス・カビ】

連作により土壌に棲む微生物のバランスが崩れ、特定の植物にとって有害な病原体が増えることで、病気が発生しやすくなります。例えば、青枯れ病は、ナス科の植物に起こりやすい病気で、葉が青いまま枯れてしまいます。根こぶ病は、その名の通り根にこぶができて生育が悪くなる病気のことで、アブラナ科の植物に起こりやすいです。

【センチュウなどの害虫】

連作していると土壌に住む微生物のバランスが崩れ、それが原因となってセンチュウが発生しやすくなります。土壌中に生息する害虫で代表的なものはセンチュウ。根にこぶを作るセンチュウや、根を腐らせるセンチュウなどがおり、大きさは1mm以下と小さいため肉眼では発見しにくく、根絶するのは困難です。

【栄養素の偏り】

連作により特定の養分だけが吸収されると土壌中の養分バランスが崩れ、また微量元素の欠乏によっても生育に悪影響が出ることがあります。

【自家中毒】

植物の中には、周囲のほかの植物の生育を抑制する物質を土中に排出するものもあります。このような植物は、同じ場所で育て続けるとその濃度が高くなりすぎて自家中毒を起こし、生育が悪くなってしまうことがあります。