鹿児島県の温暖な気候のもと、いち早くバラが咲き始める「かのやばら園」。8万㎡にも及ぶ広大な敷地は、9つのテーマによってエリア分けされ、それぞれのバラの演出を楽しめます。見頃は4月下旬〜6月上旬。この期間は多様なイベントが目白押しの「かのやばら祭り」が毎年開催されるので、ぜひ足を運んで爛漫な景色を楽しんでください。

温暖な気候の下でのびのびと育つバラの
ダイナミックな咲き姿を楽しめる

1993年にオープンした「かのやばら園」は、約1万㎡の敷地からスタートし、リニューアルを重ねて現在は8万㎡にも及ぶ敷地にまで発展。近年では、2023年にリニューアルオープンし、大人がくまなく散策して1時間30分ほどかかる規模となっています。

「かのやばら園」は、鹿児島県東部の大隅半島に位置する鹿屋市が、魅力的な観光拠点を目指し、1992年にバラ園の整備をスタート。傾斜地を生かして色とりどりのバラを植栽し、日本最大級のつるバラのトンネルを設けるなど、多数の見どころを設けています。現在では約1,500種、3万5,000株のバラが開花し、煙るように咲く圧巻のシーンは必見です。


幅4.5m、高さ3.5mの大きなアーチには、‘ポールズヒマラヤンムスク’が豪華に咲く。ポールに仕立てているのは‘玉鬘’。

「かのやばら園」は9つのテーマガーデンがあります。

1.香りのよいバラを集めた「香りのガーデン」
2.童話などにちなんだ名前のバラを植栽した「フェアリーガーデン」
3.イギリスのナーセリー、デビッド・オースチン・ロージズの品種をコレクションした「イングリッシュローズガーデン」
4.主に1867年以前に生まれたバラが見られる「オールドローズガーデン」
5.世界各国のバラを集合させた「世界のばら園」
6.それぞれ苗木のオーナーが存在する「オーナーガーデン」
7.貴族や王族の名前が付けられた「ロイヤルガーデン」
8.友好協定を結んだ「横浜イングリッシュガーデン」のガーデナーである河合伸志さんがデザイン監修した「横浜イングリッシュガーデン友好ガーデン」
9.区画ごとにさまざまなカラーコーディネートで植栽した「カラーガーデン」

春は4月下旬〜6月上旬、秋は10月下旬〜11月に見頃となります。この期間は、毎年「かのやばら祭り」が開催され、さまざまなイベントを楽しめますよ!


アジサイは、300種2,000株を植栽。5月中旬〜7月上旬が見頃で、時期によってはバラとのコラボも見られる。写真はアジサイ‘ゼブラフラミンゴ’、 ‘ノーブルブルー’と赤バラ‘岳の夢’。

また「かのやばら園」では、南九州の暖地で元気に咲く品種を選んでいるのも特筆すべきでしょう。近年の温暖化によって、暖地でのバラ栽培に難しさを感じている方も多いのではないでしょうか。バラのみならず、開花期の揃う宿根草や一年草を組み合わせたトータルコーディネートは、植栽のヒントになるはずです。バラの栽培教室も行っているので、利用してみるのもいいですね。

「かのやばら園」では、バラの開花期以外にも四季を通して花々の開花リレーを楽しむことができます。春はスイセンから始まり、パンジー・ビオラ→クリスマスローズ→アジサイ→サンパチェンス→ヒマワリ→コスモスへ。毎年8〜10万人が訪れ、リピーターも多い観光ガーデンに、足を運んではいかがでしょうか。

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フォトジェニックな写真を撮れる
バラコーナーがいっぱい!

「かのやばら園」では、「恋人の聖地」に認定されている「ローズチャペル」や、借景の美しい展望デッキのほか、随所に記念撮影に重宝するフォトスポットが設けられています。写真は、ハート型になるように剪定されたアーチ。‘春風’と‘ボニー’が仕立てられています。

季節ごとに植栽を模様替えしている「ショーガーデン」。職員のガーデナーたちが、おもてなしの心を込めて植栽を手がけています。サインウォールを背景に、緩やかな傾斜がついており、グループでも写真を撮りやすいように工夫されています。訪れた記念に、ぜひ写真に収めたいですね。

手前のベビーピンクのバラ‘サザン・ホープ’は、2014年に「かのやばら園」で生まれた品種です。四季咲きで花もちがよく、次々に開花します。南九州の高温多湿な環境下でもよく育ち、黒星病(黒点病)に比較的強い性質。奥の赤バラ‘テス・オブ・ザ・ダーバーヴィルズ’とのコントラストも美しく、目を引きます。

ばら祭り期間には、ローズトレインが登場し、正面入口〜西側入口間を巡回します。12人乗りで、運賃は片道110円。歩くより少し早い速度で、片道15分ほどかけて往復します。

運転手さんから、ガーデンの簡単なガイドが語られます。