自然と繋がれる住まいに、身を置くこと。
ヒロキさんとケルシーさんは、カリフォルニアにも拠点を持つ。好奇心を携え、世界各国を旅しながら見聞を深め、心に留まったエッセンスをものづくりへと生かしていく。
日本のこの家で過ごすのは、一年のうち3分の1程度。どの土地で過ごしていても、二人の過ごし方はさほど変わらず、自然を感じて、居住空間や生活を心地よく整えることに重きを置いている。言葉にするととてもシンプルなことだが、どれだけ忙しい時間を過ごしても、地に足をつけて、自分たちならではの心地よさを追求することが、彼らのクリエイティビティを支えている。こうした行為そのものも、〝大切にしている基準〞。二人のコアな部分になっている。
ヒロキさんはソファに腰をかけ、梅の花が咲きはじめたばかりの庭の景色をしばらく静かに眺め、語りかけてくれた。
「感覚的な話ですが、自然とコネクトしていないと本能的な感性は弱まってしまうと思うんです。例えば、クヌギやコナラの樹液を求めて活動するカブトムシが、プラスチックの虫カゴの中に収められたら、生命力が弱まりますよね。僕ら、人間も同じ。だから、自分たちも自然の中の一部という感覚でいられたらいい。そういう精神を持ち続けるために、プラスチックのものは迎え入れない心がけをするのもいいと思うんです」
日常的に〝体で感じる感覚〞を研ぎ澄ませること。そうした体感が、自然からの恩恵で生み出されたプロダクトを選ぶ感性にも分かち難く結びついているのだろう。
ATELIER 創造をもたらす場所。






