家で過ごす時間を、心地よく過ごすために。
住まいを彩るのは、古今東西のヴィンテージやアンティークの数々。それらは、人の手仕事の痕跡を感じられるものが多い。どれも、そのものが持っている美しさが最大限に引き出される、心地よい余白を残した配置がなされている。そうした空間のバランスを整えているのは、ケルシーさんである。
「家にあるものは、自分たちにとっては、すべて思い出があるものですし、大好きなものばかり。実用的なものも含めて、愛着を持って使っています。慣れ親しんだ我が家の定番的なものでもレイアウトを変更し、収納棚や道具を使ってデコレーションするだけでものの見え方が変わってくるのが面白くて。ささやかなことだけど、そうしたことは、新たな気づきが得られ、クリエイティブにもいい影響があります。変更するタイミングは、ヒロキが気分転換を欲していそうだな、とふと感じたときに。絶妙なタイミングを見極めて行うようにしています。そうすることで、家で過ごす時間がより楽しく、幸せなことだと感じられるような気がしています」
パートナーの生きる鼓動に耳を澄ませながら、空間に新たな風を送る。ものに宿るソウルや語りかけてくる何かを受け取り、対話するように、しつらえを考える。そんなふうに、ものと深く向き合う日々の累積が、シンプルで美しい暮らしを生み出していく。
長い間、大切に受け継がれた古い空間に、愛しいものが調和していること。二人にとって、そんな景色を眺める時間が、〝暮らしのスタンダード〞と言えるのかもしれない。
ELSEWHERE 日々の道具。





中村ヒロキ、ケルシー Hiroki and Kelsi Nakamura
2000年にスタートしたファッションブランド〈visvim〉でクリエイティブディレクターを務めるヒロキさんと、妻であり、ウィメンズライン〈WMV〉デザイナーとして活動するケルシーさん。素材を重視した着心地の良い、普遍的なものづくりをしている。
photo : Shinnosuke Yoshimori text : Seika Yajima
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