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毎月20万円の配当金で優雅な老後を送った父、逝去。48歳息子〈時価1.2億円の株〉を相続するも、「とんでもない置き土産」に顔面蒼白【FPの助言】

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なぜ税額はここまで膨らんだのか―見落とされていた「制度の落とし穴」

そもそも、なぜここまで税額が膨らんでしまったのでしょうか。最大の理由は、「小規模宅地等の特例」が使えなかったことにあります。

自宅については「小規模宅地等の特例」により評価額を最大80%減額できる可能性があります。ただし、別居している子が相続する場合は、いわゆる「家なき子」の要件を満たす必要があります。具体的には、相続開始前3年以内に本人または配偶者名義の持ち家に居住していないこと、相続時に自己または配偶者の持ち家を所有していないことなど、一定の条件を満たす必要があります。

今回のケースでは、一郎さんはすでに自宅を所有していたため、これらの要件を満たさず、この特例を適用することができませんでした。その結果、本来であれば400万円程度まで圧縮できた可能性のある自宅の評価額が、2,000万円のまま課税対象となってしまったのです。この差は1,600万円。税率40%で計算すると、相続税は約640万円も増えることになります。

「自宅があるから安心」 そう思っていた資産が、逆に税負担を押し上げる要因となってしまったのです。

株価暴落と納税期限の板挟み―「泣く泣く売却」の悲劇

相続税の納付期限まで、10ヵ月。一郎さんは株式の売却を検討し始めましたが、そのタイミングで市場に異変が起きました。海外の金融不安をきっかけに、市場は大きく下落したのです。

「父が大切に育てた株が、日に日に価値を失っていく様子を見るのは本当に辛かった」と一郎さんは当時を振り返ります。

保有していた主力銘柄の株価は短期間で大きく下落しました。一郎さんは「株価が回復するまで待ちたい」と考えましたが、相続税の納付期限は容赦なく迫ってきます。税務署に相談したところ、延納という方法はあるものの、担保の提供や担保関係書類の準備が必要で、さらに延納期間中は利子税もかかるため、一郎さんにとっては現実的ではありませんでした。

納付期限が迫る中、やむなく一郎さんは売却を決断。結局、納税資金を作るために約2,800万円分(納税額+売却にかかる譲渡所得税分)の株式を、最悪のタイミングで売却せざるを得ませんでした。手元に残ったのは、その時点で約9,200万円です。

しかも、その数ヵ月後、売却した銘柄の株価は相続時の水準を上回る水準まで戻ったのです。1億2,000万円もあったはずなのに、なぜこんなことに」というのが、一郎さんの偽らざる心境でした。

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