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「8,000万円の庭付き戸建て」購入も夫が急逝…30代妻を襲った悲劇。〈残債7,265万円〉の住宅ローンを背負った家族の結末【FPが「住宅ローン」の保険を解説】

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機構団信の支払い方のポイント

Aさんのように金銭管理が苦手な方のために、機構団信の毎年1回の特約料(保険料)の払い方を変えることはできないのでしょうか。

2通りの選択肢があります。ひとつは特約料を月払いに変更することです。ただし、口座振替はできず、クレジットカードのみであり、特約料に手数料(2025年10月から「(年間特約料÷12ヵ月)×1.05%+10円」)がプラスされます。

もうひとつの選択肢は借換えです。2017年10月以後のフラット35には、新機構団信が組み込まれ、特約料も住宅ローン金利に含まれているため、以前のように毎月の返済とは別途に特約料を払うことはありません。とはいえ、昨今の金利の情勢を踏まえると、この選択は慎重に判断する必要があります。

ちなみに、たとえば2017年4月に35年返済を組んだ場合、完済は2052年になります。残債の減少にあわせて特約料も低減していきますが、この問題は長期にわたって続きます。

なお、2017年10月以後も、健康の理由などで新機構団信に加入できなくても、フラット35の住宅ローンを組むことは可能であり、その場合、金利が0.2%低くなります。

そのため、「あえて、新機構団信に加入しない」という方もいるといえます。団信の代わりに生命保険を用意しておいたほうがいいのはいうまでもありません。

団信代わりの「生命保険」はリスク

団信に代わる生命保険の代表例に「収入保障保険」があります。

収入保障保険は国の遺族年金の上乗せ的なイメージであり、保険金の額も「毎月〇万円」と設定します。保険期間を定めて契約するので、住宅ローンの完済期間を保険期間としてもよいでしょう。ところで、毎月の返済額を保険金額としてもよいのでしょうか。

そうだとすると、被保険者(ローンの返済者)亡きあと、ローンをそのまま相続し、保険金を返済に充てることになるという発想です。

しかし、この発想はおすすめできません。収入保障保険の保険金は「毎月」ではなく、一括で受け取ることも可能です。なお一括の保険金額は保険期間に向かって徐々に低減していきます。

そのため、収入保障保険は保険料が安い保険ともいわれています。遺族が一括で受け取った保険金でローンの繰り上げ完済ができれば、まさに団信代わりの生命保険です。

とはいえ、健康が理由で団信に加入できなかったのであれば、生命保険の加入が難しい、もしくは緩和型など、保険料が高めの生命保険を検討することになります。なお、銀行によっては「引受基準緩和型団信(ワイド団信)」を用意している場合もあります。こちらもあわせて検討するべきです。

団信に加入せず、代わりに生命保険という考え方はおすすめできません。フラット35の返済表と収入保障保険の一括受取額の推移を見比べれば一目瞭然です。つまり、残債額の推移と一括保険金額の推移が一致しないのです。加えて、万が一のことを踏まえると、税制上の点からも団信のほうが手続きはスムーズです。

住宅が「一生に一度の大きな買い物」なら、「住宅ローンは一生に一度の大きな借金」です。大切な家族のためにも、あってはならない万が一を想定して臨みたいものです。

大泉 稔

ファイナンシャルプランナー

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