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資産は6階建て自宅兼賃貸ビルと金融資産だが…「長男の子どもには渡したくない!」80代男性が〈長女の息子〉を養子に迎えたワケ【相続の専門家が解説】

資産は6階建て自宅兼賃貸ビルと金融資産だが…「長男の子どもには渡したくない!」80代男性が〈長女の息子〉を養子に迎えたワケ【相続の専門家が解説】

遺言書の必要性と設計

養子縁組をしても遺言書がない場合、法定相続分は母親が半分、残りを子どもと養子の3人の均等に分ける形になります。しかし今回のご希望は、不動産であるビルは将来は長女と孫に承継させたいということでした。金融資産は、母親と兄に多めに配分したいというご希望でした。

ここで問題になるのは兄の遺留分です。兄の遺留分はゼロにすることはできず、過去に兄へ資金移動があったこともあり、相続時精算課税制度を利用していれば相続財産として加算されますが、それでも、「前回渡したから今回は少なく」と考えることはできません。

遺言書では、不動産を長女と孫へ相続させることを明確に指定することが重要です。まだ20代の孫1人に渡すには負担が大きいため、Tさんと親子で不動産を維持していくことが望ましいと言えます。

そして兄の遺留分を侵害しない形で、母親と兄に現金を残すようバランスを調整します。これにより、遺留分トラブルを避けつつ、Tさんと孫が不動産を承継する際の納税資金も確保できます。遺言書は、相続全体の設計図として家族全員が納得できる形に整えることが重要です。

不動産ビルの整理

対象となるRC造のビルは、1フロアが自宅で、その他のフロアが賃貸部分です。不動産承継を考えるうえで必要な書類は、固定資産税納税通知書、建築図面、建築確認書、父母の確定申告書などです。権利証は必須ではなく、登記簿で代替可能です。これらを確認することで、不動産の評価額を把握し、賃貸割合による評価減も考慮した承継設計が可能となります。


不動産承継においては、誰がどの部分を取得するか、納税資金はどう確保するかを具体的に決めることが重要です。養子縁組によって孫が正式な相続人となったことで、遺言書上でも長女や孫の承継を明確に位置づけることができ、家族全員にとって安心できる設計が可能になりました。

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