「名義預金」を回避するための3つのチェックポイント
ご家庭でも、まずは次の3つの点を確認してみてください。
・原資は誰のものかそのお金を実際に稼いだのは誰か。
・管理・運用は誰がしているか
通帳、印鑑、キャッシュカードを誰が保管し、管理しているか。
・贈与としての認識があるか
あげる側ともらう側の双方に「贈与」の認識があり、契約書などで確認できる状態になっているか。
たとえば、父親が母名義の口座を作り、通帳や印鑑を自ら管理したうえで自分のお金を移していたのであれば、それは実質的には母名義の口座を「借りているだけ」の状態といえます。
Fさんのケースでも、父親と意思疎通ができるうちに、こうした資産管理の実態を整理し、名義預金を含めた正確な財産額を把握することに注力しました。
その結果、Fさんは「名義預金のことまで事前に整理できたことで、税務署が来たらどうしようという不安がなくなりました」と安堵されていました。
結びに:見えない財産こそ、生前に光を当てる
「家族だから、口座を分けていても問題ないだろう」――そんな思い込みが、後に大きなトラブルを招くことがあります。名義預金は、悪意がなくても「申告漏れ」とみなされるおそれがある、非常に注意すべき問題です。
相続設計とは、不動産のような目に見える財産だけを整理することではありません。こうした“名義のねじれ”を一つひとつ正していくことも、極めて重要な作業です。
そして、この整理ができてはじめて、資産の組み替えや納税資金の確保といった、次の具体的な対策へと進むことができます。Fさんがどのように土地を守る準備を進めていったのか、その全体像も見えてきました。
