課徴金納付命令に対して争う姿勢――その理由
一部報道によれば、「調査をしたリサーチ会社には適法性を問い合わせるなど注意を払ってきた」と消費者庁の課徴金納付命令を争う姿勢を見せているとのこと。
通常、「No.1」表記をする場合、どのような名目で「No.1」と表記するかを決め、その表示の根拠資料となる調査をアンケート調査会社に依頼して、「No.1」の表記をすることが一般的であると思われます。そして、エクスコムグローバル社も同様にアンケート調査会社に依頼をしたとされています。
では、このように争う姿勢をエクスコムグローバル社が見せる根拠はどこにあるのでしょうか? 実は、景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)第8条1項の課徴金納付命令の規定には、違反であることを知らないことにつき相当の注意を払っていれば処分されない旨の規定があります。
そのため、エクスコムグローバル社は、調査したアンケート調査会社に適法性を確認したことをもって「相当の注意を払っていた」ということを主張したいのではないかと推測されます。
しかしながら、これまで多くの「No.1」表記が優良誤認として判断されてきた背景にはアンケート調査会社の調査方法に問題があったからと言われており、現在では、そのことが報道などを通じてかなり周知されているように思います。
典型的には、実際の利用経験がない消費者も含め、「どの商品が最も良いと思うか」という印象ベースの調査が行われていたケースです。しかし消費者は通常、「実際に利用した上で比較した結果」と受け取ります。このような乖離がある以上、調査方法としては不適切と評価されざるを得ません。
さらに現実問題として、複数のサービスを実際に利用させて比較させる調査は、時間・コストの面で極めて負担が大きく、簡易的な調査に流れやすい事情もあったのでしょう。
こうした状況を踏まえると、アンケート調査会社が調査対象について虚偽の報告をしていたなど、かなり限定的でない限り、エクスコムグローバル社が「相当の注意を払った」と認定されることは難しいのではないでしょうか。
単に適法かどうかだけを確認していただけでは、その責任を免れることは難しいと考えられます。
「No.1」表記に対する今後の注意点
「顧客満足度No.1」などの「No.1」という広告を出すこと自体、優良誤認になる可能性が必然的に高くなるため、いっそうの注意が必要です。少なくとも、どのような顧客層からの満足度なのか、どのようなアンケート調査を行ったのか(無作為のアンケートなのかなど)といった点には注意する必要があると思います。
そもそも、顧客満足度については、スタッフの対応なのか商品の品質性能なのか、何に満足しているのか分からないまま満足度にチェックを入れている可能性もありますし、ヘビーユーザーにだけアンケートをお願いすれば、満足度は自動的に高まることとなります。
そのため、「実際に商品を購入されたお客様から無作為にアンケートを行った結果となります」などの注釈が入れられる形の調査にする必要はあるでしょう。
今回のエクスコムグローバル社の「No.1」表記の箇所には、こうした調査方法などの注釈の記載がありませんでした。逆に言えば、このような注釈を入れられない場合は、そもそも表記を控えるべきではないかと思われます。
