「No.1」表示に対して消費者が持つべき視点
こうした「No.1」表示は、企業側の法令遵守の問題である一方で、消費者にとって直ちに大きな不利益が生じるものとは限りません。
ただし、前述のNo.1表示に関する実態調査報告書の記載でもわかるとおり、「No.1」という言葉が強い訴求力を持つことは事実です。だからこそ、表示を見たときには、「何についてのNo.1なのか」「どのような調査に基づいているのか」といった点に一度目を向けてみることも大切です。
例えば、「顧客満足度No.1」といっても、それが価格なのか、対応の丁寧さなのか、通信品質なのかによって意味は大きく異なります。また、誰を対象に、どのような方法で調査された結果なのかによって、その信頼性も変わってきます。
いまや「No.1」という言葉は珍しいものではなく、広告の中に当たり前のように並ぶ表現になっています。だからこそ、「No.1」と書かれていること自体よりも、「何のNo.1なのか」を見極める視点を持つことで、より納得感のある選択につながるのではないでしょうか。
森 大輔
森大輔法律事務所 代表弁護士
