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“1点”のために“1年”──。看護師国試浪人経験者はやはり面構えが違った

“1点”のために“1年”──。看護師国試浪人経験者はやはり面構えが違った

1年前とは面構えが違った、冬

──看護助手の仕事はいつまで?

12月末まで働いて、年明けから実家にこもって勉強だけしてました。

両親とはよく喧嘩してたんですけど、そのときは家事も全部やってくれて、勉強に集中させてくれて感謝しかないです

2月に入ってからは必修問題を解きまくりました。一般状況が1点足りなくて落ちてるのでそっちばかり対策してたんですけど、これも「必修そんなにやってないけど大丈夫かな」って焦り始めて(笑)。

──焦り! 潰さないと!

そうです! その時期になると勉強してない時間があるのが不安になってきて、隙間時間にひたすらアプリで必修問題を解いてました。過去10年分の問題が入ってたんですけど、進捗率の画面が100%になるまでやりきりました。目に見えたものがあると安心できるので

──じゃあ、国試直前には自信を持って臨めるようにはなってました?

はい、「目指せ200点」くらいの気持ちで、少なくとも落ちるとは思わなかったですね。

──去年みたいな“なんとなく”ではなく、“確信を持って”落ちないだろうと?

はい、そうですね。

──(なんか違う。)

それで国試の1週間前に東京に戻って、2日前に『QB(クエスチョン・バンク)』の必修問題集を1日で解ききりました。500問くらいあるんですけど。

──1日でできるんですか?

1日でできるんですよ。もう「ここはわかる……わかる……わかる……」って感じでページをめくる手を止めることなく解けるんです。

──(前回とは違う。)

前日は会場近くのホテルに泊まって。早く寝るつもりだったんですけど、地震が来て眠れなくなっちゃって……。「もう眠れなくてもいいや」って気が済むまで勉強しました。あまりおすすめはしないんですが、不安で眠れないくらいだったら勉強したほうがいいです。とにかく心を安定させるほうを取ったほうが

看護師国試浪人経験者Wさんが愛用しているペンケース
文房具も好きな色で揃えることで勉強に対するモチベーションを高めていたそう

──当日は何時に起きましたか?

朝6時に起きて、コンビニにごはん買いに行って、音楽聴きながら準備して。「1年間頑張ったなあ」「今日で終わるんだ」って思いながら、お世話になった人たちに「いってきます」ってLINEしました。

──それは家族とか?

家族と先生と友達と……看護助手の上司と(笑)。

──あの怒鳴られまくった……?

はい(笑)。最後はもう「こいつ頑張るじゃん」って思ったらしく、すごく良くしてくれるようになって。仕事辞めるときには泣きながら送り出してくれて。

朝早い時間だったんですけど、みんなも気にかけてくれたみたいですぐに返事が来て。みんなから「いってらっしゃい」をもらって会場に向かいました。

会場には看護学校の仲の良い後輩もいたんですけど、イヤホンして誰とも喋りませんでした。それから試験を迎えて、寝ました

──え? 試験会場で? 試験中に?

いえ、試験が始まる直前に何もできない時間が30〜40分くらいあるんですよ。机の上には筆記用具だけって状態で「何待ち?」みたいな時間が。私は一回経験してわかってるんで、「わかるわかる、ここから40分ぽーっとするんやろ?」って思って、寝ました

──やっぱり面構えが違う!

(笑)。

看護師国試浪人生の冬

浪人生活で得たもの

──自己採点の結果は?

必修48点の、一般状況180点くらい。目標の200点には届かなかったんですけど、180点取れてたら絶対落ちることはない……、と思いつつ合格予想サイトをひたすら更新してました(笑)。

合格発表当日は地元にいたんですが、前回と同じことをしようって山奥までドライブに行ったんですよ。そしたら妹が四葉のクローバー見つけてきて(笑)。

「おねえちゃん! 見て! 四葉のクローバー!」って。

その瞬間「受かった」って思って、合格発表の画面を開いて、合格してるのを確認しました。

──周りの方も喜んでくれました?

もうお祭り騒ぎ(笑)。誰も彼もが喜んでくれました。

満開の桜
努力は報われると自分の力で証明した

──浪人したからこそ得られたものはありましたか?

とにかくメンタルの強さは(笑)。それからやればできるということがわかったので、勉強嫌いがなくなりました。あと、きれいごとに聞こえるかもしれないんですけど、周りに感謝するっていうことも。

「国試落ちた」って言ったら「なんで落ちたの? みんな受かる試験なのに」とか「今まで何してきたの?」とかめちゃくちゃ責められるかなって思ってたんですけど、誰もそんなこと言わなくて。

親は私のこと見捨てなかったし、おじいちゃんおばあちゃんは「ぜんぜん気にしなくていい。たった1年でしょう?」って言ってくれたし、「え? あと1点? 交渉してきてあげるよ!」って言ってくれた子もいて(笑)。

──(笑)。

「1点なら次は受かるよ!」「なればいいんだから!」って、みんな優しい言葉をかけてくださいまして……。心のどこかで「どうせ他人のことなんか」って思ってたところもあったんですけど、「ありがとうございます」って人の優しさを素直に受け取れるようになりました

──この1年間、看護師として働いてみてどうでしたか?

達成感じゃないですけど、なりたかったものになれた、もらいたいお金がもらえるようになったっていうのは、満たされるところがあります

その先にはつらさもあるんですが、先に看護師になった同級生たちが「頑張ってたんだな」っていうことがわかって、そこで初めて1年前に感じていた劣等感を受け入れられたというか。

看護助手のときに「こんなことまで頼まれるのか」ってもやもやしてたものが全部なくなりました。

──これからの目標は?

看護師としてもっと上を目指したいと思ってます。

脳外科にいたときに支えてくれた看護師さんたちが目標で、その人たちに認められるようになりたい、助手としては認められたんですけど次は看護師として認められるようになりたい、って思います。

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