両親を見送った60歳の節目に、上大岡トメさんが決めたのはヨーロッパ1か月半のひとり旅。ところが準備を始めると、オンライン予約や電子渡航認証など、デジタルと老眼の壁が次々に立ちはだかります。苦戦しながら整えた、大人の海外長期滞在の準備術とは。
60歳で両親を看取り「海外暮らし」の夢が動き出す
両親を見送ったとき、トメさんの心にふと浮かんだ言葉がありました。
「ああ、もう日本にいなくてもいいんだな」
以前から「いつか海外に住んでみたい」という夢を抱いていたものの、なかなか勇気が出ず、気付けば先延ばしに。そんな中、50代半ばからご両親の介護が始まり、長らく海外に行くことができない日々が続いていました。
ところが、2023年にお父さま、2024年にお母さまを見送り、心境に変化が訪れます。
「両親を見送ったとき、ふと『ああ、もう日本にいなくてもいいんだな』と思って。ちょうど60歳という節目でもあるし、思い切って海外に長期で行ってみようかなと。しかも自分ひとりで! まさに“60歳の冒険”ですよね(笑)」
60歳の挑戦。ヨーロッパ1か月半、ひとり滞在へ

そうして選んだのは、イタリアのフィレンツェをはじめ、イギリス、ドイツへと足を延ばす、1か月半のヨーロッパ長期滞在。フィレンツェには4週間滞在することにしました。
「ヨーロッパだったらどの国でもいいなと思っていたんですけど、ちょうど会社員時代の後輩から、『フィレンツェのキッチン付きアパートがとってもよかった』と聞いて、私もぜひ行ってみたいと思ったんです。
フィレンツェで宿泊コーディネートをされているChiho(奥村千穂)さんという方が、素敵なアパートを紹介してくれたとのことだったので、私もChihoさんにお願いしようとワクワクしながら連絡を取りました」

