【社労士が警告】「実態のない社保加入」が招く結末
結局のところ、本件の本質は明快です。役員という肩書きがあるから社会保険に入れるわけではなく、役員として加入資格を満たすだけの勤務実態があるかどうかが問われているのです。
会費が報酬を上回る、業務内容が曖昧である、加入の目的が単なる保険料の節約であるといった事情が重なれば、行政からは厳しく指導されます。平成15年の裁決例と今回の通知をあわせてみれば、「形式よりも実態」という行政・審査実務の姿勢は一貫しているといえるでしょう。
個人事業主にとって、社会保険の負担の重さは切実な問題です。しかし、「安く見える仕組み」が、将来の資格否認や遡及処理の火種になっていることもあります。
AさんとBさんの明暗をわけたのは、情報の早さでも、度胸の差でもありません。安さの裏にある制度の仕組みを冷静に確認したかどうか、その一点に尽きるのです。
岡 佳伸
社会保険労務士法人 岡佳伸事務所
特定社会保険労務士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
