3.床暖房がある場合のフローリング張替え注意点
床暖房が入っているお部屋でフローリングを張替える際や、張替えのタイミングで新たに床暖房を導入したい場合は、いくつか追加の注意点があります。
3-1.既存の床暖房がある場合
床暖房が設置されている部屋のフローリングを張替える際は、以下の3つのポイントに注意してください。
① 必ず「床暖房対応フローリング」を選ぶ非対応の製品を使用すると、床暖房の熱によってフローリングに反りや隙間が発生してしまいます。
床暖房対応製品は通常のフローリングよりやや割高ですが、安全かつ長持ちさせるために必ず専用品を選びましょう。
② 床暖房の設備寿命を確認する温水式床暖房の寿命は約30年、電気式は約25〜30年が一般的な目安です。
フローリングの張替えと合わせて、床暖房本体の交換が必要にならないか事前に確認しておくと、あとから「床暖房も壊れて二度手間になった」という事態を防げます。
③ 上張りは原則として非推奨既存のフローリングの上に重ね張りをすると、床暖房の熱が伝わりにくくなり効率が大きく低下します。
基本的には既存床材を撤去してから新しいフローリングを張る「張替え」工法がおすすめです。
ただし、床暖房対応の専用薄型上張り材が使用できるケースもありますので、リフォーム会社に相談してみてください。
3-2.新たに床暖房を導入する場合
最近では、床を一度はがす張替えのタイミングに合わせれば、別々に工事をするよりも手間とコストを抑えられることから、フローリングの張替えと同時に床暖房を新設する方も増えています。
主な床暖房の種類と費用の目安は以下のとおりです。
| 種類 | 特徴 | 費用目安 (6畳) |
|---|---|---|
| 電気式 |
初期費用が安い ランニングコストは高め |
約25万〜35万円 |
| 温水式 |
初期費用は高め ランニングコストが安い |
約50万〜80万円 |
※費用は、記事作成時点の参考価格です。中東情勢の影響による資材価格の高騰に伴い、実際のリフォーム費用が異なる可能性もございます。最新の費用については、お見積もり時にご確認ください。
電気式はフローリングの下に電熱フィルムを敷く方式で、部分的な施工が可能。初期費用を抑えたい方に向いています。
温水式は床下に温水を循環させる方式で、足元から部屋全体をムラなく暖められるのが特長です。初期費用は高めですが、ランニングコストが安いため長期的にはお得になるケースが多くあります。
4.フローリング張替え時のマンション特有の注意点
マンションのフローリング張替えでは、戸建て住宅にはないマンションならではの注意点がいくつかあります。
これを事前に押さえておくことで、工事がスムーズに進み、ご近所トラブルの防止にもつながります。
4-1.マンションの構造による注意点
マンションの床構造には「直床(じかゆか)工法」と「二重床工法」の2種類があり、それぞれ施工方法や使えるフローリング材が異なります。

ご自宅がどちらの構造なのかは、管理組合の図面を確認するか、リフォーム会社の現地調査で確認できます。
既存の床が直床工法の場合は、原則として既存床材を撤去し新しい床材に置き換える「張り替え」施工となります。
既存の床材の上からの「上張り」は、かえって遮音性能を低下させるリスクがあり不向きとされています。
二重床工法は、「上張り」と「張り替え」の双方が選択可能です。コストを抑えたい場合は、解体人件費や廃材処分費を最小限に抑えられる「上張り」を選択すべきでしょう。
4-2.管理規約の遮音等級を確認する
ほとんどのマンションでは、使用できるフローリングの遮音等級が管理規約で定められています。
この規定を知らずに工事を進めてしまうと、やり直しを命じられるケースもあるため、必ず事前に管理規約を確認してください。
| 遮音等級 | 特徴 | 採用例 |
|---|---|---|
| L-45 (ΔLL-4) |
スプーンを落とすと少し音がする程度 | 多くのマンションで採用 |
| L-40 (ΔLL-5) |
物音がかすかにする程度 | 高級マンションなどに多い |
遮音規定を満たさないフローリングを使用すると、階下の住民から騒音クレームが入り、管理組合からやり直しを命じられるケースもあります。
また、一部のマンションではフローリングへの変更そのものが禁止されている場合もあります(新築時からカーペット敷きの物件など)。
こうした制限も含めて、事前に管理規約をしっかり確認しておきましょう。
4-3.管理組合への相談と許可申請の方法
マンションでフローリングの張替えリフォームを行うには、施工前に管理会社(管理組合)への届出・許可申請が必要です。
これは法律と同様の扱いとなり、「知らなかった」では済まされない大切な手続きですので、以下の流れを把握しておきましょう。
① 管理規約を確認するリフォームの制限事項(遮音等級・施工可能な時間帯・申請に必要な書類など)を把握します。
② リフォーム会社に見積もりを依頼し、使用するフローリング材の仕様書を入手するリフォーム会社に管理規約の内容を伝えれば、規約に適合するフローリング材を提案してもらえます。
③ 管理会社(管理組合)に工事申請書を提出するフローリングの防音性能を証明する書類やカタログを添付して提出します。この手続きはリフォーム会社が代行してくれるケースも多いため、見積もり時に相談してみてください。
④ 理事会での承認を待つ申請から承認まで、通常2週間〜1ヶ月程度かかります。工事スケジュールには余裕を持っておくことが大切です。
⑤ 近隣住民への事前あいさつ承認後、工事開始前に両隣・上下階・斜め方向の住戸まで事前にあいさつを行います。
工事中の騒音トラブルを防ぐためにも、工事期間と作業時間帯をお伝えしておきましょう。
あいさつ時には工事期間と作業時間帯を書いた紙を用意しておくと、より丁寧な印象になります。
4-4.フローリング張替え中の生活への影響
1〜2部屋程度の張替えであれば、住みながらの施工が可能です。
とはいえ、以下のような影響がありますので、事前に準備しておくと安心です。
【家具の移動】施工する部屋の家具は事前に別の部屋へ移動させる必要があります。
大型家具の移動はリフォーム会社がサポートしてくれることも多いので、見積もり時に相談してみましょう。
【騒音と振動】
既存フローリングの撤去時には大きな音が出ます。工事時間は一般的に9時〜17時頃です。
在宅勤務の方は、工事中は別の部屋で過ごすか、一時的に外出することも検討しておくとよいでしょう。
【全面張替えの場合】全面張替えの場合は一時的に仮住まいが必要になることもあります。工期は1〜2週間が目安です。
| 施工内容 | 工期目安 |
|---|---|
| 1部屋(6〜8畳)の張替え | 1〜2日 |
| 2〜3部屋まとめて | 3〜5日 |
| LDK+複数部屋の全面張替え | 1〜2週間 |

