硬い赤土から、20年かけて育ててきた庭の土

20余年の歳月の中で、わが家の庭は植物と生き物のバランスが生まれ、ほぼ自生するに任せられる伸びやかな居場所になっていました。しかし、元々ここは開発跡地で、土地の大部分は表土が剥がされ、粘土と石が混じりガチガチに固まった赤土でした。植物が育つために必要な「団粒構造」とはほど遠く、最初は草花は何も育たず、フカフカの土がいかに大事か痛感しながら庭づくり、そして「土づくり」もしてきました。

フカフカの土の正体は団粒構造です。その団粒構造を作っているのが微生物です。そして微生物の餌となるのは有機質です。そこでヤセ地でも育つ雑草を積極的に育てて緑を増やし、落ち葉や草葉を積み上げ有機質を増やし、微生物に餌を与えながら少しずつ団粒構造を作っていきました。そんな「土づくり」を20年近く繰り返すことで、庭の植物は豊かになりました。でも、「豊かな土」の深さにはまだまだ足りないと、ずっと実感していました。

そこで、冬の手前には多肥を好むバラやシャクヤクに、ピンポイントで馬フン堆肥をあげていたのですが、病気で筋力が極端に弱くなった私は、その作業が年に一回のことでも負担になりはじめていました。そんな頃に、バイオマイスターとの出会いがあったのです。有用微生物の宝庫であるということと同時に、軽いという製品の特徴は、私の筋力でも負担が少ないのではないかと興味を持ち始めた矢先の、嬉しいプレゼントでした。
バイオマイスターが庭に静かな変化をもたらした

とはいえ最初は恐る恐るでした。というのも、バイオマイスターに含まれるのは有用微生物です。しかし、わが家の土にはすでにたくさんの微生物が住んでいます。まさか我が家の古参の微生物が、新参者をいびるようなことはしないだろうと思いつつ、彼らが仲良くできるかどうかは出たとこ勝負かもしれないと思いました。今思えば、単に資材を取り入れるというより、新しくペットを迎え入れるような心持ちで、ドキドキ・ワクワクしていました。
また、微生物には餌が必要です。バイオマイスターには「餌」となる成分も含まれていると聞きますが、どんどん増えてもらうためには餌となる有機物も豊富に必要です。しかし安易に微生物に餌を与えようと、多くの落ち葉や枯れ草を花壇の中に積むのは、花壇をコンポストにするようなもので、病害虫の住処になるかもしれません。果たして、どれくらいバイオマイスターを入れたらいいのだろう? 適量を見極めることができるだろうか?
こんなふうに私が神経質になるのには、じつはもうひとつ理由がありました。私が草を積んで土を微生物に耕してもらいながら、夏野菜を収穫していた畑があったのですが、そこを夫が張り切って天地返しをして深く土を耕し、有機肥料を入れたことがありました。その結果、なんとまったく逆効果に。肥料分に反応した雑草ばかりが巨大化して勢いづき、手がつけられなくなった夫は畑を放置。かつては何でもほどほどに育っていた畑は、硬い土に逆戻りしてしまいました。自然に近い循環で少しずつ育っていた土に、急な耕起と施肥を加えたことで、土の生態系のバランスが崩れてしまったのだと思います。
この経験は、微生物の世界は本当にデリケートだと痛感した一件でした。土はただ肥料を入れて耕せばよくなるわけではなく、土の中の微生物や構造のバランスを崩すと、かえって悪くなることがあるのです。
そんなわけで、ドギマギしながらバイオマイスターを庭の一部分に撒いてみたのですが…夏を越え、秋になっても、土質や野の草花に大きな変化はありませんでした。でもそれは安心の合図に感じました。雑草の巨大化も見られない点も、多めの窒素分で大きく育てる肥料と明らかに一線を引くと感じました。
安心した私は、越冬のために植物が根を肥らせる晩秋、落ち葉を掃き集めて花壇に敷き詰め、上からパラパラとバイオマイスターを撒きました。

翌2024年から、その花壇の落ち葉はもちろん、抜いた草を積んで腐葉土にしている山も、これまでにない早さで分解していることに気が付きました。だんだん弱っていたバラがそれ以上悪くならず、持ちこたえるようになったことに手ごたえを感じ、木々の下に山野草を植え込む時は、植え付けとともに入れるなど、次第にバイオマイスターを使うシーンが増えていきました。
