「整った」土の中のバランスが、庭を確かに健やかにした

そして2025年から、庭が穏やかに変わり始めた手ごたえを感じるようになりました。その合図は、土の香りです。春先、雪解け後の湿った土から立ち上っていた強い土の香りが、以前よりやわらいでいたのです。犬の散歩でぬかるみのある砂利道を抜けると、まだそこには以前と同じ強い香りを感じたので、やはり庭の土の状態が変わったのだと思いました。言うならば「どぶろく」が「清酒」になったような……澄み切った感じなのです。「もしかしたら地中の空気と水の流れが整い、有機物の分解も以前より安定してきたのかもしれない」と感じました。
植物も、若干茎が太くなり、暑くとも葉がしっかり残っていることから、根張りがよくなったことが察せられました。おそらく団粒構造がこれまでよりも地中の深いところに到達したことがうかがえました。
嬉しかったのは、残ってくれていたプリムラ・デンティキュラータが「溶ける」ことなく葉陰で夏越ししてくれたことです。元気な植物たちの葉陰が濃くなり、若干涼しくなったこと、根張りがよくなったことが関係しているのかもしれません。
おかげで、その年の夏に私はとびきりの暑さで寝込んでしまったにも関わらず、草花たちはいつも通りの表情で夏を越してくれました。寝込んでいたくらいですから、水やりも全くできませんでしたが、植物たちは平気な顔です。白絹病の発生も昨年はゼロ! 元気な草花は明るい気持ちを運んでくれました。
植物の地上部が枯れて越冬に備えて根をしっかり太らせる時期、頑張ってくれた草花や微生物へのお礼の気持ちと、来年への期待をこめて、分厚く敷いた落ち葉の上に、すっかり定番となったバイオマイスターを撒きました。

2026年春、庭はまた応えてくれた
この記事を書いているのは、雪解けからひと月ほど経った4月末。花が一面に咲き始めたばかりの早春です。ですが、もうはやくも嬉しい変化があちらこちらに見つかって、ただでも嬉しい春の訪れが、ますますワクワクするものに変わっています。
あまり庭の変化に気付きにくい夫が「今年、スイセン多くない?」と声を弾ませるほど花数を増やし、シャクヤクはムチムチと太い芽を出しています。木の成長と共に日陰が増えたから、花の勢いも落ちたのかもしれないと思っていた時期もありましたが…なんてことない、悪いのは土だったのだと、今は思います。
気候変動の前に比べ数は減ったものの、夏越しに成功したプリムラ・デンティキュラータの紫のポンポンがあちこちに見られるだけで、心もポンポン弾みます。
バイオマイスターを使い始めてから、土は微生物が育んでいる産物なのだということを改めて深く感じるようになりました。
私らしい、野の花も園芸品種も分け隔てなく伸びやかに育ち、私自身も庭を負担に感じず、ゆるやかに過ごす日々が、これからも続いていくであろう実感を噛み締める、うららかな春の日々です。

メネデール社のホームページ https://www.menedael.co.jp
Credit 写真&文 / 山崎亮子
やまざき・りょうこ/北海道で家族とともに裏の森へとけこむような花と緑のガーデンを作る。厳しい自然環境でたくましく育つ植物を丹念に観察しながら庭づくりを楽しみ、庭の実りを食卓やインテリアなど暮らしへ豊かに展開し、その様子を本誌で執筆。自身の暮らしを描いたやさしいタッチのイラストも人気。
