◆日本人はこれをどう受け取るべきか
日本に話を移します。日本の会社員文化は、ある意味で「ブルシット・ジョブ」を最も大規模に生産してきた文化かもしれません。稟議、形式的な上司への報告、惰性で続く定例会議——これらは日本の職場に特有の密度で積み上がっています。
そのぶん、AIウォッシングが起きる土壌は日本のほうが厚い、とぼくは見ています。「AI投資のため」「DX推進のため」という大義名分のもと、大企業が抱えてきた余剰人員を整理する動きは、これから日本でも加速するはずです。
問題は「AIに仕事を奪われるかどうか」ではありません。もっと根本的なことです。
あなたの仕事は、AIがなかったとしても、本当に存在する必要があったのか。
これは脅しでも自己啓発でもなく、純粋に問い返してみる価値のある問いだと思います。「自分のポジションがなくなっても会社は回るか」という問いに、今すぐ答えられるかどうか。それが、これから数年で待遇が二極化する分岐点になりそうです。
Microsoftが「自発的に」と言いながら実質的に人員整理を進めているように、企業は穏やかな言葉を使いながら、静かに本質的な問いの答えを出し始めています。その問いを、自分に向けるタイミングは、もう来ています。<文/福原たまねぎ>
【福原たまねぎ】
シアトル在住。外資系IT米国本社のシニアPM。ワシントン大学MBAメンター(キャリア・アドバイザー)。大学卒業後にベンチャー企業を経て2016年に外資系IT企業の日本支社に入社。2022年にアメリカ本社に転籍し現職。noteでは仕事術やキャリア論など記事を多数発表。X:@fukutamanegi

